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週刊ゴルフダイジェスト 9/7号
2010/8/30更新

全米プロ優勝のM・カイマーは
まだ25歳なのに平凡で退屈なドイツ人?

 ドイツ出身のもの静かな男、マーティン・カイマーが、25歳の若さで今季メジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権を制した。

 日本での知名度は今ひとつだが、実は欧米では若手のホープとして度々取り上げられる有望株。今季メジャーでも全米オープンで8位タイ、全英オープンで7位タイに食い込んでいる。全米プロでは最終日、首位と4打差からスタートしながら、深く静かにスコアを伸ばし逆転Vに成功した。

 1984年12月ドイツのデュッセルドルフに生まれたカイマーが、生涯初めて触れたスポーツはゴルフではなくサッカーだった。
「3歳からサッカーを始めて15歳まで続けた。ゴルフは父の影響で10歳くらいから始めたけれど、どちらも大好きで、とにかく朝から晩まで体を動かしていたんだ。
 で、15歳のとき両親から"どちらか1つにしなさい"と言われゴルフを選んだ。誰にも邪魔されず自分の世界に没頭することができるのが好きだった」
というカイマー。どうやらその頃から将来プロのスポーツ選手になることは納得づくだったらしく、その後ゴルフ1本に絞ってほどなくヨーロッパでミニツアーに参戦。

 2006年のハプスブルグクラシックで13アンダーの59をマークし一躍有名になり、2007年欧州ツアー入りすると、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。翌2008年アブアダビゴルフ選手権で初優勝を飾り、これまでに欧州ツアーで5勝を挙げている。

 昨年は、夏場に2連勝を飾り一躍欧州ツアー賞金王候補に躍り出て、全米プロで6位タイに入った直後、趣味のゴーカートを運転中事故に遭い、足を骨折して2カ月ツアーから遠ざかった。それでも賞金ランクは3位に入り、ツアーの中核を担う存在として一目置く存在に。

 素顔の彼は少年時代と変わらずスポーツ大好き人間。本人は、
「ドイツ人っていうと皆、退屈という印象を持つらしいけれど、自分では退屈だとは思わない。でも性格は至ってノーマル。試合中も普段もまったく変わらないし、本当に普通で申し訳ないくらい(笑)」と謙遜する。

 ドイツ勢ではベルンハルト・ランガー以来、2人目のメジャーチャンピオンに輝いたわけだが、
「子どものころからランガーの活躍に刺激を受けてきた。チャンピオンズツアーで今年彼はメジャー2連勝しているから、僕も見習って来年のマスターズで2連勝を目指さなきゃ」と夢を語る。

 ちなみに「ランガーは尊敬するが、憧れの人はアーニー・エルス」なのだとか。ノーマルな男は正直な男でもあるようだ。

 
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