> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/29号
2010/6/18更新

「法律違反のゴルフ場で試合はしない」
古墳壊したコースでの競技が中止に

 国史跡・古墳などは国の許可なく開発したり、掘り起こしたりしてはならないが、奈良県の秋津原ゴルフクラブが許可なく行った練習場の拡張工事で、古墳を壊していたことがわかった。

 このゴルフ場は奈良県御所市にあり、周辺には古墳がいくつもある。そのコースの10打席の練習場を15打席に拡張するため、練習場の左サイド、古墳12基がある山の斜面を幅約20メートル、長さ約200メートル(約400平方メートル)にわたって削り、12基のうちの円墳4基を壊したというもの。

 ゴルフ場がある一帯は国史跡、巨勢山(こせやま)古墳群(5~6世紀)で、ゴルフ場の所有地の山でも古墳がある史跡指定地であれば文化財保護法に基づく文化庁の許可が必要。その許可を得ずして山肌を削ったというのだ。

 この事実が公けになったのは6月7日だが、削って古墳を損壊したのは昨年の11月のことだった。11月初めに工事に入り、古墳を壊したことがわかって、その月の29日に御所市の市教育委員会から中止命令が出た。
「当時の担当者は古墳の存在は知ってたようですが、工事をする時に認可が必要だとは知らなかったようです。その後、草の種が入ったシートを張る等の仮復旧の工事に入り、今年の5月末に終わりました。今後はどのように本復旧させるか、市の教育委員会、文化庁、有識者を交えた委員会を立ち上げて検討に入る予定です」(秋津原GC金森瑞照支配人代理)

 ゴルフ場のいう、工事に認可が必要だとは知らなかったというのは、言い訳にしか聞こえないが、この事実がお公けになったことで、同GCで6月17~19日に開催される予定だった奈良県オープンが急遽中止になった。

 主催する奈良県プロゴルフ会の前田新作会長が言う。
「ゴルフ場とは何度か打ち合わせをやってきましたが、そういう話は一切出ませんでした。法律に違反したゴルフ場で試合を開催することはスポンサーにも申し訳ありませんし、すべて準備が整ってましたが、やむなく中止することにしました。いずれ場所を変えて開催するつもりです」

 9月には日本プロシニア選手権も同GCでの開催が予定されている。日本プロゴルフ協会は「急に出てきた話ですので事実関係を確認中の段階です」(広報・根本修一氏)。詳細は6月14日に開かれる理事会で決まるというが、開催コース変更も視野に入っているという。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です