週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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1994年の「東建コーポレーション」で杉原のバッグを担いだ故・藤田まことさん

　2月17日に急逝した名優、藤田まことさん（享年76）。実はゴルフと縁が深く、男子トーナメントで杉原輝雄のキャディを務めたこともあった。交流の深かった杉原さんに、故人とのゴルフにまつわるエピソードを聞いてみた。

「知り合ったのは40数年前。藤田さんは当時から大スターでしたが、ゴルフ好きということから偶然に空港で居合わせた僕に声をかけてもらったのが始まり。あのときはビックリしたな（笑）。

　その後、僕のゴルフ番組に多忙のなか、１年間出演してもらいました。僕を師匠と呼んでくれましたが、僕は年下。逆やないですかと思いつつ、人間性の素晴らしさに感服していました。

　プライベートでもラウンドしていましたが、師匠の力不足で腕前はハーフで50を切るのがやっと。でも、ミスしても笑って誰にも偉ぶることなく、人柄が表れるゴルフをする人でした。

　藤田さんには1994年の開幕戦『東建コーポレーション』で、僕のキャディをしてもらいました。さすがの僕もかなり気を遣いました（笑）。そのためじゃないですが、成績が良くなかったのもあって、最終ホールで一緒にラインを読むポーズをみんなにサービスした記憶が思い出されます。

　試合中はもちろん真剣勝負、冗談なんて言いません。でも、バッグを担いでもらっていたときの緊張感、ギャラリーに魅せるという精神を“師匠”に、改めて教えてもらった気がします」