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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/17号
2009/11/5更新
優勝こそないものの、今季上位常連となった
久保谷健一の復調理由は

 国内男子ツアーでは、37歳の中堅・久保谷健一プロがこのところ頻繁にテレビ中継に登場し、注目を集めている。10月11日終了のキヤノンオープンから3週連続で優勝争いに加わる好調ぶりで、賞金ランキングも7位。全英オープンでも予選ラウンドを4位で通過するなど、すっかりトッププロの地位を獲得した久保谷健一の好調の秘密を探った。


流れを大事にすれば結果もついてくる、と久保谷

 久保谷は72年神奈川県生まれ。明治大学ゴルフ部出身で、95年にプロ入り。97年にツアー初優勝を遂げると、賞金ランキングでも14位になり、一躍『期待の若手』と目された。

 その後、アイアンの不調で一時低迷するも、02年には日本プロを含む2週連続優勝でブレーク。同年には米ツアーのQTを通過し、03年に米ツアー挑戦。しかし、結果を出せず、翌04年に国内ツアー復帰。その後、2年ほど賞金シードを逃したが、徐々に復調。今季はトッププロの座に返り咲くまでになった。

 彼を古くから知る関係者は、
「高反発クラブが規制(03年)される前までは、飛距離を武器(2000年の平均飛距離ランク2位)に活躍していたのが、規制後はドライバーがまったく安定せず苦しんでました。最近の好調さは、飛距離を諦めてゴルフを組み立て直した成果だと思います。もともとパッティングの名手で、小技の上手い選手ですから、フェアウェイをキープさえすれば大崩れすることはありませんから」と語る。

 昨年から契約を結んだアキラプロダクツのプロ担当・寺田知弘氏も好調の原因を、
「一番はドライバーの安定度が増したからだと思います。3年前までは1試合に1~2回はOBを打ってましたが、今は安定し、予選ラウンドの平均ストロークはツアーのトップです」と分析する。

 一方、コーチを務める内藤雄士プロコーチは内面の変化が大きいとみている。
「もともと練習をし過ぎて悩むタイプだったのですが、今年は頭のなかが整理され、迷いなく練習に打ち込めるようになりました。スウィングのメカニカルな点は悪くありません。ただ、優勝するには予選ラウンドでエネルギーを使い過ぎる傾向があるので、力の配分をコントロールする必要があると思います」

 こうして周囲は久保谷の『変身ぶり』を高く評価しているのだが、本人に話を聞くと、
「自分では、スウィング自体は去年と同じだと思っています。ただ、予選ラウンドから無理な攻めはせず、パーをキープしながらゴルフの流れを大切にしているのがいい結果につながっています。それで4日目に気がついたら上位にいるという感じです」と飄々と答える。

 また今季の目標についても、
「昨年の賞金額を上回ること(あと400万円足らず)ですね。優勝は……、別にできなくてもいいです。ゴルフの流れを崩してまでは狙いません」と実に控え目。

 練習仲間の矢野東プロは久保谷を評して「日本一『低姿勢』のプロ」という。

「趣味=子育て」と自称する草食系男子の久保谷健一。ツアー終盤を迎えて、このあとの活躍が見ものだ。

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