週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

長引く不況のなかでも、元気いっぱいがんばっているのがゴルフアパレルメーカー。そんなゴルフアパレルの世界に新しいウェーブが起きている。女性や若者層を狙って、ゴルフ界に新規参入する会社が増えているのだ。一体どんなブランドが参入してきたのか。

アパレル、雑貨で人気のサマンサタバサのキャディバッグ、ゴルファーの反応やいかに?

　ウナコーワやキャベジンコーワで知られる興和は、“健康を楽しむ”というコンセプトのもと、総合スポーツウェアブランド「リズム＆バランス」を立ち上げ、その第一弾として来年3月からゴルフ分野に進出する。

　今でこそ医薬品のイメージが強い同社だが、元々は繊維事業からスタート。ゴルフとの縁も、以前からPGA(日本プロゴルフ協会)とライセンス独占許諾契約を締結、「PGA」「PGA TOUR」のブランドで、主にシニア向けゴルフウェアの製造開発に取り組んできた。
「昨今のゴルフブームで20～30代の若い世代がゴルフに関心を持つようになっています。当社の今のブランドでは補えないこの層を新ブランドで取り込んでいき、5年後には20億円を売り上げたいと思っています」(生活関連事業部・山本文朗氏)

　一方、20～30代の女性を中心に人気のサマンサタバサでも、ゴルフに特化した新ブランド「サマンサタバサリゾート」を9月19日から発売した。サマンサタバサにスポーツをテーマとしたブランドが登場するのは今回が初めて。ウェアはもちろん、キャディバッグ、ヘッドカバー、グローブなど約50アイテムがラインナップされている。
「昨年あたりからゴルフウェアを望まれるお客様の声が高く、今回の導入に繋がりました。女子プロの中にも、私どものウェアを気に入って、プライベートで着てくださっている方もいます。お客様もその辺をよくチェックされているようです」(広報担当者)。
新発売に合わせて、銀座には同ブランドのフラッグシップショップ「サマンサタバサ銀座GATES店」もオープンした。

　さらに、全国で靴下専門店を展開するタビオからは先月、ゴルフ専用ソックス「アーチサポートタイプ5本指」「アーチサポートタイプ着圧ハイソックス」が登場した。土踏まずを押し上げるアーチサポート機能を装備することにより、長時間のプレーによる疲労感を和らげるとともに、吸水速乾素材を使用することで足のムレを抑えるのが特徴で、靴下でも機能にこだわる男性ゴルファーが狙いという。

　こうした各社の新規参入に関して、ゴルフ界に詳しいエナジー・菊地英樹氏は、
「もちろん、最近の女性ゴルファーの増加によるゴルフブームということもありますが、それに加えて、ゴルファーは可処分所得(自由に使えるお金)が多い人の割合が高く、いい売り上げが期待できること。また、これまでセンスのいいゴルフウェアがなかったということで、自分たちのセンスでいけば売れるものが作れるのではないかとファッションメーカーが考えていること。そうしたことがこの流れを作っているのではないでしょうか?」

新規参入は今後もさらに続きそうだ。