> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/10号
2009/2/26更新
一世風靡したオリムピックがシャフト市場に復帰。
用品界の活性化なるか

 国産第一号のカーボンシャフトが登場したのは1972年のこと。当時、一世を風靡したこのシャフトを開発したのは大手釣具メーカーのオリムピック釣具だった。それから37年後の2009年、オリムピックブランドがシャフト業界に再参入を果たした。これが市場の活性化につながるか、どうか?


パターのシャフトもカーボンの4軸構造としてアタリをよくしたという

 オリムピック釣具は、92年にマミヤ光機と合併し、社名をマミヤ・オーピーに改称。しかしマミヤ・オーピーは、2000年に不採算部門の釣具事業から撤退、翌年から同事業を引き継いだのが現在の(株)オリムピックだ。

 その後、同社は、釣り竿のOEM生産を柱とする一方、高い技術力を武器に自社ブランドにおいてもヒット商品を立て続けにリリースし、釣り竿では業界3位の地位を占めるまでに業績を回復させた。そして、好業績を背景に4年前から立ち上げた新プロジェクトが、ゴルフクラブ用のカーボンシャフト開発だった。

「新しい事業を始めるなら本業の調子がいいうちにやったほうがいい。シャフトなら人材や設備など既存の経営資源を生かせるので、とりあえず研究開発だけでもやってみようと。最初はコストを度外視して最高に飛ぶシャフトを作ってくれと指示しました」(オリムピック・西野正人社長)

 マミヤ・オーピーから譲り受けたのは釣具事業だけ、シャフトの開発は一からのスタートだったが、当時の技術者が何人も残っていたため最初の試作品は難なく完成したという。

「ほとんどのテスターさんが飛ぶといってくれました。自分で打っても確かに飛ぶのですが、何か物足りなさも感じました」(西野氏)。足りないものは打感だった。

「ピシッではなくビシッとくるしっかりした打感が欲しかった」ということで、数百本もの試作を繰り返し、4年越しで完成させたのが『グラファイトリーダー』シリーズ。釣り竿とシャフトはほぼ同じ材料と製法で作られていて、遠くへ正確に飛ばすという狙いも同じ。その上、4軸シートの導入など技術的には釣り竿のほうが先行している。

 これまでもダイワ精工の「ロッディオ」など釣具を手がけるメーカーのシャフトは品質が高いといわれてきた。

「径が細い先端部分でもしなりや返りを微妙に変化させる緻密な技術が必要。これをゴルフに展開すれば当然いいものを作れる下地はあります」(ダイワ精工ゴルフ営業推進部・坂口雅裕氏)

 実際、『グラファイトリーダー』も釣り竿の感度(アタリ)をよくする技術を応用して、「ボールがどこに当たったかわかりやすいシャフト」(西野氏)という。

 同社では、他のシャフトメーカーが手がけていないパターやウェッジ用のカーボンシャフトをラインナップし、カタログでもトップに掲載するなど力を入れている。こうしたアプローチは、他メーカーからも一定の評価をもって迎えられている。

「マミヤ・オーピーさんやグラファイトデザインさんの前身で、ある程度のノウハウは持っている企業ですから、私どもも気を引き締め、お互い切磋琢磨していければと思います。既存メーカーがやっていないパターやウェッジのシャフトからアプローチされている部分でも業界の活性化につながるものと期待しています」(フジクラゴム工業スポーツ用品事業部・杉本寿紀氏)。

これが用品市場の活性化につながればいいのだが。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です