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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/3号
2009/1/22更新
オギルビー、プロV1改良版で開幕戦優勝!
何かと話題のボール最新情報

 米PGAツアーの開幕戦、メルセデスベンツ選手権でのジェフ・オギルビーの優勝をもっとも喜んだのは、タイトリストかもしれない。というのも、オギルビーが、キングコブラのニュークラブを使用していただけでなく、改良型プロV1を使用していたからだ。


日本ではもうしばらくこの旧タイプのプロV1が売られるが……

 実は、プロV1をめぐっては、キャロウェイが自社の特許を侵害しているとして、同ボールの販売停止を求めてタイトリストの親会社であるアクシネットを裁判で訴えていた。

 1審ではキャロウェイの訴えを認め、今年の1月1日から、プロV1のアメリカでの販売を中止する勧告を出し、昨年のクリスマス直前、アメリカの控訴審も、控訴棄却の判決を出していたのだ。

 さらに、アクシネット側では上告したために、最終的な結果は今年の終わりごろにならないと出ないといわれているが、キャロウェイ側は、「アクシネットは裁判での敗北を受け入れる時に来ていると思う。そして小売り業者の在庫処分を行うように仕向けるべきだ」(スティーブ・マックラッケン・キャロウェイ副社長)といった声明を発表。

 アクシネットは、判決を不服としながらも、小売店やプロショップなどが抱える古いプロV1のボールを回収する一方で、昨年9月から卸し始めているキャロウェイの特許に抵触しない改良型プロV1との交換をあわただしく始めている。

 プロV1 はこれまで、ツアープロだけではなく、非常に多くのプレーヤーに使用されていた。と同時に、その性能には高い評価があっただけに、特許に抵触しないように改良されたプロV1に代わるといっても、その性能が落ちるのではないかといった不安の声もあったのも事実だ。

「実際、まだ、非常に多くのプレーヤーが05年版のプロV1Xを使用している」(オギルビー)というなかで、オギルビーは、「プロV1の2007年版モデルの改良型、特許に抵触しない新ボールを2週間ほど使用しているが、これは良い。というより、古いモデルとの違いがわからないほど。今週はこれを使用する」と語り、そのまま、ぶっちぎりでメルセデス選手権の栄冠を勝ち取ってしまったのだから、タイトリストが喜ばないわけがない。

 古いプロV1が使用できなくなり、改良版のボールの性能が落ちるとなれば、一気にタイトリスト離れが進む可能性もあったからだ。

 ただ、ここでもう一つ説明しておかなければならないのは、タイトリストは、今春にもプロV1の新ボール(仮称プロV1プラス)を発売する予定だということだ。

 すでにツアープロには、配られているが、「ニューボールといっても、新・ニューボールと古い版のニューボールがあるが、私が(メルセデスで)使用するのは、古い版のニューモデルのほう。新・ニューボール(プロV1プラス)は、これから1カ月かけて試打してゆくつもりだ。

 数字的には非常に良い結果が出ていると聞いているし、彼らは、決して悪いボールを作らない。常に非常に性能が良い」(オギルビー)と宣伝までしてくれている。

 気になるのは、やはり、この裁判にかかわる日本での対応ということになるのだろう。

 日本のアクシネットによれば、係争中の裁判にかかわることはコメントできない、と正確なところは今ひとつわからないが、どうやら日本では、オギルビーがメルセデスで使用した改良型のボールを発売することなく、そのままこの春先に新発売される予定のニューボール(プロV1プラス)に移行する可能性が高い。

 アメリカでの裁判の拘束力は日本には及ばないことから、日本では、古いタイプのボールがそのまま販売され続けることになるのだろう。となると、アメリカでリコールされたボールが日本をはじめ、アジアに大量に流れてくる可能性もないではない。

 古いタイプとはいっても、その性能は折り紙つき。それが入ってきて、新ボールの発売と同時に、大幅値引きなどということになっては、ユーザーにはメリットになるが、反面、混乱も起きるやも。さてどうなるか。

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