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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/18号
2008/11/7更新
日本で初めて、聴覚障害者の世界大会開催。
決定理由は意外なものだった

 11月2~3日、三重県の津CCで厚生労働大臣杯 全国身体障害者ゴルフ大会が行われた。主催は隻腕の山手勝プロを中心に全国の障害者ゴルファーに希望と励ましをとの目的で結成されたNPO法人、日本ザ・チャレンジドゴルフ協会。そして、この津CCでは2012年には世界デフ選手権なる大会が開かれるという。

 回を重ねて13回目だった。津CCは障害者ゴルファーに早くから門戸を開き、福祉的貢献をしてきたことで知られる。

 そして、この大会に世界デフゴルフ協会のアーネ・ルンドクイスト氏も顔を見せていた。世界デフ協会とは世界各国の聴覚障害者ゴルファー連盟が集合した競技団体。

 なぜルンドクイスト氏が、母国スウェーデンから顔を見せたかというと、実はこの津CCが、2012年の「世界デフゴルフ選手権」の第9回大会の会場になるからだ。

 この開催決定は先月末、オーストラリアのパースで行われた同大会の会場において行われた。日本デフゴルフ連盟がプレゼンした後、参加国13カ国(イングランド、ウエールズ、スコットランド、アイルランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、米国、カナダ、南ア、豪州、ニュージーランド)での投票となった。

 その結果、10票を日本が獲得、開催が決定したのだ。同大会は2年に一度開かれ、2010年は英国のセントアンドリュースで開かれる。

「勝因はアジアで初の開催、近隣観光地の京都、奈良、伊勢神宮、伊勢志摩などの魅力があったこと。またセントレア空港からフェリーで40分という近さであったことなどが挙げられます。それに宿泊施設が外人が大好きな温泉スパの榊原温泉だったことも幸いしました」とはデフ連盟より委託され、プレゼンをサポートした三品智加良日本ザ・チャレンジド協会関東支部長。

 先進諸国では障害者への社会的福祉への関心が高く、日本へもその参加を呼びかけられている最中でのことだった。それにしても近隣観光地、温泉が選考基準で幸いしたとは、サプライズではある。

 デフゴルフでのルールといえば基本的なことでは普通のゴルフとほとんど同じ。ただ違うのはOBの見極めなどを旗で知らせたり、プレーヤー同士のコミュニケーションは手話や筆談を使ったりすること。

 日本デフゴルフ連盟の会員の多くは聴覚障害に加え、言語障害を併せ持ってるというから大会運営はやはり経験が必要だろう。その点、受け入れ側の津CCは全国身体障害者ゴルフ大会を長年やっており、マニュアルは年々微細に渡り充実している。

「障害者ゴルファーの大会については、やはり継続こそ大事だと理解できまして、今に至ってます。世界デフ大会のほうもその延長線で快諾させてもらいました。人との交流が何よりの喜び。いい大会にしたいものです」(鈴木しおり・津CC社長)

 ゴルフの世界はますます広がっている。

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