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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/16号
2008/9/4更新
2009年早出しモデルに2008年遅出し
クラブも加わり市場が百花繚乱

 かつてはどこのメーカーも、毎年2月に開催されるゴルフフェアに照準を合わせてニューモデルを発表していた。しかし、最近では大手、中堅のほとんどが前年のうちに展示受注会を済ませるのが通例。だが、そのあおりを受けて、ようやく08年モデルの発売にこぎつけたメーカーもあって、秋口のクラブ市場は百花繚乱の様相を呈している。


左からナノスピードⅰ、タイクーンII、スタッフ・スパインドライバー。秋の市場が面白い

 発表時期が早まった大きな理由は、早めに生産計画を立て、見込み発注による売れ残りや売り逃しをなくすためだ。

 ある大手メーカーの場合、仮に販売店からの発注を1月に受けると、製品のデリバリーは4月までずれ込んでしまい、絶好の商機を逃すことになる。多くのメーカーが11月から12月にかけて受注会を済ませてしまう理由はここにある。

 しかし、こうした「前倒し」の傾向は、ここ数年さらに顕著になってきた。毎年7月の展示受注会を慣例にしているSRIスポーツやテーラーメイド以外にも、この夏場に新商品の発表や発売に踏み切るメーカーが続出し、さながらニューモデルラッシュの様相を呈している。

 先陣を切って、ドライバー、アイアンの『ナノスピードi』を発売したのはヨネックス。同モデルは、海外向けとして開発され、コリン・モンゴメリーが愛用するなど、欧州での評価が高い製品。

 それがここに来て国内発売に踏み切った背景には、「石川遼に憧れる若い世代には、『ナノブイ』よりもアスリートイメージが強く、価格帯の低い『ナノスピードi』のほうがアピールしやすい」(ヨネックス関係者)という判断もある。

『スリクソンZR』に負けじと、アスリート向けのドライバーやアイアンの2009年モデルの発売を急ぐ動きも大手メーカーを中心に見られる。アクシネットジャパンは『タイトリスト909』シリーズを7月頃からツアープロに支給し、市販に向けて早々とプロモーションを開始した。

 また、ブリヂストスポーツは、9月下旬頃のプロ支給、10月下旬の「ブリヂストンオープン」での正式発表という『Xドライブ』のプロモーションスケジュールを2カ月も前倒し。

 7月末に行われたサンクロレラクラシックから契約プロへの支給を始めた。

 このほか、ミズノも先週のKSBオーガスタから『MPクラフトR1』『同T1』ドライバー、『MP-52』『MP-62』アイアンのプロ支給とメディア向けプロモーションを開始。こちらも例年より早い時期の発売が予定されている。

 その一方で、『ウイルソンスタッフ・スパインドライバー』『同Pi7アイアン』(以上キャスコ)、『タイクーンII』(エナ)、『TP450TI』(チームヨシムラ)など、夏場に差しかかってようやく2008年モデルの発売にこぎ着けたメーカーも多い。  ちなみに、キャスコを除けば、中小メーカーばかり発売時期がここまでずれ込んだ原因は中国の下請け工場の納期遅れにある。

「2009年モデルの前倒し発売の背景には、2008年モデルの販売不振から、メーカーの事情や量販店対策があるのは確か。しかし、新しい商品を並べたからといって消費者がすぐに飛びつくものか」(ゴルフニューオーシカ・大鹿寿一社長)とメーカーの姿勢に疑問を投げかける声もある。

 だが、早出しの2009年モデルと遅出しの2008年モデルの両方、さらにマークダウンされるであろう2008年モデルが店頭を賑わすこの秋はゴルファーにとって楽しみではある。

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