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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/8号
2008/3/28更新
JGTO、ワンアジアツアー構想に賛同する背景に
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 先日、日本ゴルフツアー機構(JGTO)から、アジア・パシフィック地域を包括する新ツアー=ワンアジアツアー(仮称)の設立構想が発表された。唐突で、雲をつかむような話にも思えるが、一体ワンアジアツアーとはどのようなもので、どのような狙いがあるのだろう。

 アジア・太平洋地域には、現在、JGTOのほか、アジアンツアー、オーストラレージアツアー(豪州)、そして中国と韓国内でもプロツアーが実施されている。ところが、それぞれ個別には連携しながらも全体を統括する組織がないため、地域の声をまとめて欧米両ツアーをはじめ、メジャーや世界選手権の競技団体に伝えることはできなかった。

 一方、アジアンツアーは近年急成長を続け、昨年からは日本ツアーを凌駕する規模にまでなった。しかし、その成長の中身を見ると、ビッグトーナメントの多くは欧州ツアーとの共催競技。

 そこでは、地元の競技団体がリーダーシップを十分に握れず、せっかくの自国開催も自国のゴルフ発展に生かしきれないジレンマがあった。そうした大会は中国、韓国でも増えている。

 こうした現状に、アジア・太平洋地域のゴルフ関係者の間では、地域で強い発言力を持たないまま、欧州ツアーに「ひさしを貸して母屋を取られる」状態が進行し、やがては欧米両ツアーの間に埋没するのでは、という危機感があった。

 そこで創設されることになったのが、今回発表されたワンアジアツアーだ。参加各団体のツアーはそのままで、各団体がワンアジアツアー競技を持ち寄り(新設、もしくは現行競技の移行)、地域内を包括したツアーとして発展させることで、欧米に次ぐ第3のツアーとしての発言権を獲得しようというのだ。

 ただし、現在のところ参加はJGTO、豪州PGA、韓国ゴルフ協会、中国ゴルフ協会の4団体で、アジアンツアーの加入は「やや後ろ向きのようです」(JGTO・山中博史専務理事)と難航が予想されている。

 アジアンツアーは、現在拡大中であり、大きな発言力を得るようになったところで、そのリーダーシップを新ツアーに譲ることに抵抗があるのだろう。

「アジアンツアーに対抗するツアーを作るわけでも、地域の主導権争いをするわけでもありません。アジア・太平洋地域がまとまることで、世界に向けての発言力を獲得し、この地域のゴルフの発展につなげるのが狙いです。そのビジョンを理解してもらえるよう、今後も交渉を続けていきます」(山中氏)

 参加4団体では4月から月1回のペース(予定)で会合を開き、徐々に概要を固め、来年1月にはツアー組織を発足させたい。そして、試合数は少なくても、できれば来季からツアーをスタートさせる予定という。

 そうなると気になるのが、日本から名乗りを挙げるトーナメントだが、「現行の試合が移行する場合もあれば、新たなトーナメントが作られるケースもあると思います。いずれにしても主催のスポンサーさんがあることですので……」(山中氏)ということでこちらはまったくの未定。

 ただし、日本からは複数試合の参加が見込まれるようだ。というのも、今回JGTOがワンアジアツアー設立に踏み出した遠因には、スポンサーサイドからの要望。つまり、巨大なマーケットになったアジアとリンクしたトーナメント運営を要望する声があったからだ。

 日本が自ら世界に撃って出ようと言うのが同ツアー。今後の進展を期待したい。

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