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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/18号
2007/12/6更新
かつての人気はどこに?
Wカップ実力者不在の中、スコットランドが優勝

 11月下旬、アメリカの感謝祭ウィークに開催された二つの試合、かつては、世界のゴルフ界の耳目を集めたワールドカップとスキンズゲームの2試合だったが、今年は、トッププレーヤーに欠け、人気の凋落ぶりが著しかった。

 一つは中国で開催されたWGCのオメガ・ミッションヒルズワールドカップ。試合そのものは、過去6回の2位というスコットランドチームが、アメリカチームを下して、念願の初勝利を飾り、見ごたえのあるものだった。

 しかし、ワールドランキングで言えば、56位のC・モンゴメリー率いるスコットランドが、ブー・ウィークリー(42位)率いるアメリカチームを下すというものだったのだ。

 ワールドカップといえば、かつてはサッカーのように大きな注目を集めていた。実際、1957年に当時カナダカップと言われ、中村寅吉と小野光一が優勝して日本にゴルフブームを引き起こしたほど。

 近年でも2000年にはT・ウッズ、D・デュバルのアメリカチームが優勝し、翌年には、E・エルスとR・グーセンの南アフリカ、そして2002年には、日本の丸山(茂樹)・伊澤組が、この試合を制して、ツアー機構から豪華な優勝記念リングをもらうなど、何かと話題になっていた。

 しかし、世界のトッププレーヤーが一堂に会するのは、この試合くらいまでで、欧米ツアーの賞金が大幅にアップする中で、アメリカのオフシーズンに開催されるこの試合は、トッププレーヤーを引き付ける力を失ってしまっている。今回、名前の知られた選手ではそれこそ優勝したモンゴメリーを除くとR・グーセンくらいだった。

 もう一つの試合というのは、アメリカのスキンズゲーム。この試合が1983年に始まった時には、A・パーマー、J・二クラス、G・プレーヤー、T・ワトソンというビックな顔ぶれ。

 ある意味では、テレビ向けのお遊びの試合とも言えるが、スキンズゲームは、各ホールにお金がかかり、もっともスコアがよかったプレーヤーがそのホールの賞金(スキン)を手にするもので、タイスコアの場合は、その賞金が次のホールに持ち越される。

 そのため、タイスコアが続くと、金額も大きくなり、見ごたえがある場面が期待できるのだ。昨年に引き続き、今年もこの試合で優勝したS・エームスは、18番ホールで、2.1メートルのパットを沈め、このホールだけで65万ドル、7000万円強を手にしている。

 以前はビックネームが顔を揃えていたため、この試合の人気は高く、当初10年のテレビ視聴率は、平均5.65%とゴルフ中継では、マスターズに次いで、注目されるものだった。同じ時期の全米オープンのアメリカでの視聴率の平均が5.25%だったといえば、どれくらいアメリカで注目されていたかが分かるだろう。

 96年にタイガーが、この試合に出場した時には、6.2%という高視聴率を記録したが、それもそこまで。今年はエームスに加え、Z・ジョンソン、F・カプルス、B・ウェッターリッチという顔ぶれで、視聴率は2%台に落ちこんでしまっている。

「今年は、妻のエリンと娘のサムと過ごす最初の感謝祭で、最初のクリスマス。自分はこれまで休日を家族で楽しむタイプではなかったが、サムが生まれてすべてが変わってしまった。今年試合に出るのは、(自分がホスト役の)ターゲット・ワールドチャレンジだけ」とは、T・ウッズだが、ミケルソンやエルスなど、トッププレーヤーの多くが家族志向を強めている中で、感謝祭にまで仕事をしたくないというのが本音なのだろう。

 しかも、タイガークラスのアピアランスマネー(出場料)は、1億円を超えると言われる中で、オフシーズンの出場義務のない賞金だけの試合には、食指が動かないというわけだ。

 ただ、ワールドカップで、優勝したスコットランドチームには、160万ドルの優勝賞金が与えられている。

 ある意味では、トッププレーヤーが参戦しないことで、谷原・平塚組の日本チームには、チャンスであったはずなのに、結果は28チーム中25位。優勝賞金は1人約9000万円と高額なだけに、もう少し頑張って欲しかった気がしないでもない。

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