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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/30号
2007/10/18更新
入会金231万円の会員権など
異色の方針打ち出す強気オリックスの狙いは

 オリックスの真里谷CC(千葉県)自己競落から早15年。ゴルフ場競売の先駆けとなったこのコース、現在ではきみさらずゴルフリンクスに名を変え、10月15日から会員募集を開始した。今回募集する会員権は、預託金なし、全額入会金のプレー会員権で、正会員は1口231万円(消費税込み)。決して安くはないオリックスの狙いを探った。


預託金なし、入会金231万円のきみさらずGL。さて、高いか、妥当か?

 正会員は200口、平日会員(土日利用不可)は115万5000円(同)で50口。入会後3年間は譲渡不可だ。

 きみさらずには、現在平日98名を含めて278名の暫定会員がおり、今回の募集金額の7割を支払えば、正式な会員になることが出来る。

 この暫定会員も含め、向こう3年間で順次募集を進め、最終目標は正会員1400口、平日400口。

 驚きなのは、会員証がクレジットカード機能付きである点だ。

 入会に際しては、必ずNICOS、VISAの提携カードであるOGMメンバーズカードを作成しなければならない。

 個人会員の場合はもちろん本人だし、
法人の場合は記名者個人名でカードを作成する。

 自動チェックインが可能なほか、経営会社のオリックス・ゴルフ・マネジメント(以下、OGM)傘下の国内22コースのうち、所属コース以外のコースで、ビジターフィが10パーセント割引になるなどの特典があり、カード年会費もタダ。

 だが、このカードのポイントは何と言ってもコースに支払う年会費が、クレジット決済になる点だ。

 年会費の滞納問題は、ゴルフ場経営会社にとって非常に頭の痛い問題だが、コース側としては強硬には出られないケースが大半だ。

「社団法人のコースなど、名門コースではあらかじめ規約に年会費の滞納による除名処分を規定しているところが多く、実際に滞納が発生すると、理事会でさっさと除名処分を決めるので滞納者はほとんど出ないが、一般のコースとなると話は別」(ゴルフ場経営に詳しい日本ゴルフ場経営総合研究所の降旗貞夫専務理事)。

 滞納年会費の督促をかければ、退会するから預託金を返還しろ、という展開になる。

 何とか滞納を減らそうと、口座振替への切り替えを進める動きも出たが、「予想外に残高不足で引き落とせないケースが多発した」(降旗氏)という。

 単なる口座振替では滞納者には何のペナルティもない。

 ところがカード決済となれば、残高不足で落ちなければ事故情報として信用情報センターに登録されてしまう。

 場合によっては保有する全てのカードがストップしたり、借りている住宅ローンの一括弁済も求められる事態になりかねない。

 滞納者が被るペナルティは重いのである。

 OGMでは既に「傘下コースの大半でこのクレジット機能付き会員証を導入している」(OGM会員サービスグループ)という。

 入会時点から滞納しようという人はまずいないだろうが、足が遠のくうちに支払う意欲が失せるというのが、滞納に至る典型的なパターンだ。

 再生がらみで取得したコースが大半なので、新券発行時に導入すればスムーズに導入出来る。

 さすがは金融会社と思わずひざを打つ秘策だが、会員権としての魅力には懐疑的な声も。

 なにしろきみさらずは音に聞こえた難コース。

「ピート・ダイ設計の難コースは日本では思ったほど人気がない。預託金なしで200万円超の新規募集というのも最近では初。強気の価格設定という印象」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)。

「グループコースの富士OGM市原では無額面で260万円の相場が付いているので、より交通アクセスにもコースコンディションでも優れるきみさらずでは妥当な金額」(OGM)というが、さて結果はいかに?

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