> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/16号
2007/10/4更新
芦ノ湖の静岡県水利権管理で
神奈川県箱根のゴルフ場が洪水に

 9月初旬に関東を縦断した台風9号は、静岡、神奈川などでゴルフ場にも大きな爪跡を残した。神奈川県の芦ノ湖から流れる早川沿いのゴルフ場も一部水没する被害に。同地区のゴルフ場は2年前にも台風で同様の水害にあっている。その原因が県の管理する水利権にも関係するということで、河川管理に対する不信の声も上がっている。


芦ノ湖の水で箱根CCは水浸しに

 台風の数は少ないが、今年上陸した4号、5号、そしてこの9号と、いずれも強い勢力の台風だった。

 9月7日に神奈川県小田原付近に上陸した台風9号は、箱根では1時間70ミリ、24時間で487ミリもの豪雨をもたらし、周辺では土砂崩れや河川の氾濫が起きた。

 芦ノ湖から流れる早川も上流で洪水となり、仙石原では床下浸水の被害も出た。

 また、仙石原の上流にある神奈川県の箱根CCや大箱根CC、富士屋ホテル仙石Cでもコースの一部が水没。

 箱根CCでは4ホールが水につかり、1週間ほど14ホールでの臨時営業を余儀なくされた。

 これらのゴルフ場は2年前にも同様の洪水で、さらに大規模な被害にあっている。

 そのため関係者の間からは、「芦ノ湖の水門の管理に、前回の教訓が活かされていない」といった非難の声が聞かれる。

 芦ノ湖の水門の開け閉めによって、下流のゴルフ場が洪水になってしまうからだ。

 これにはちょっと複雑な事情がある。芦ノ湖には、早川の源となる湖尻水門のほかに、西岸に深良水門という水門がある。

 この深良水門は、江戸時代に箱根外輪山の反対側(現在の静岡県裾野市)に新田を開発するために造られた箱根用水の水門。

 当時は、箱根もこの新田も同じ小田原藩の領地だったので問題はなかった。

 だが、明治の廃藩置県で外輪山を境に箱根用水側が静岡県になると、神奈川・静岡両県の間で芦ノ湖の水利権争いが起きた。

 そして、裁判の結果、芦ノ湖は神奈川県にありながら、その水利権は静岡県とされた。

 しかし、芦ノ湖の水位の調整は、神奈川県の小田原土木事務所が管理する湖尻水門で行わなければならない。つまり、権利と管理が別々になっているのだ

「小田原土木には湖尻水門操作規則というマニュアルがあって、静岡県芦ノ湖水利組合との取り決めで、湖の常時満水位は2・30メートルと定められています。もちろん、緊急の場合には柔軟な対応が認められてはいるのですが、それが遅いように思う。そして台風に備えて、前もってより低い水位にしておくといったこともやらないんです。それで、大雨になってから水門を全開するから、下流で水があふれてしまう」とあるゴルフ場関係者が憤懣やるかたない口調で、事情を語る。

 また、別のゴルフ場関係者は「結局はお役所だから……。規則よりも早めに放水して、いざそれほど雨が降らなかったときの責任が怖いんじゃない」と不信を口にする。

 しかし、一方には「今回、小田原土木は前より早めに放水してくれ、その結果、2年前より小さな被害ですみましたから。善処してくれたと思いますよ」と擁護するゴルフ場関係者もいる。

 小田原土木に、今回の水害について尋ねると、「どこの川でも起こる洪水が、今回早川で起こったということです。もちろん、洪水についてはよく検証し、改善すべきところがあれば改善します」との返事。

 これはあくまで想像だが、水利権と管理が分かれているから、対応が鈍かったり責任の所在が曖昧になっているのでは、とも思われるのだが……。

 最近の台風は大型化の傾向がある。今後も想定外の豪雨を伴う台風の襲来は十分に考えられる。

 天災はある意味仕方のないところだが、災害の原因が別のところにあるとしたら、これは改善してもらいたいものだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です