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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/9号
2007/9/27更新
遼くんも教えたANAオープン優勝
篠崎紀夫ってどんなプロ?

 世はまさに石川遼フィーバーに沸騰中だが、このほどその石川遼をかつて教えたことがあるというプロが先のANAオープンで初優勝を飾った。その名も篠崎紀夫。といっても、ピンとこない向きも多いはず。それもそのはずで、プロ転向は16年前ながら、その間に日本のツアーで稼いだ生涯獲得賞金は1636万円強。つまり、年間で100万円ちょっとしか稼いでいない選手なのだ。謎のプロ? 篠崎紀夫の人となりに迫った。


レッスンでは、遼くんを教えたことも、と篠崎紀夫

 優勝インタビューで「僕の優勝がジュニアゴルファーの励みになってくれたら良い」と本人も語っているように、アマチュア、特にジュニアのゴルフ界では、「篠プロ」の名前は、意外に知られている。所属する千葉県の練習場、北谷津ゴルフガーデンで、永年ジュニア育成に励んでいたからだ。

「本人は覚えていないかもしれないが」と断りを入れながらも、石川遼にもゴルフをレッスンしたことがあるということだし、なにより、同じANAオープンのベストアマとなった池田勇太は「僕のスクールの1期生か2期生で、ほんとに子供の頃から、良く知っている。実は、ANAオープンでは、池田くんと初日、2日目と一緒にラウンドしたんだが、やりにくかった。今では彼の方が飛ばすしね」という。

 池田勇太は日本ジュニアを2連覇し、今年は日米大学ゴルフ選手権、個人、団体とともに優勝を果たすなど、次世代の日本ゴルフ界を背負うプレーヤーとして期待されているが、「篠プロ」に言わせれば、池田勇太の通う東北福祉大学をはじめ、ジュニアや大学のゴルフ部で、活躍する教え子の数を数え上げたらきりがないほどいるという。

 もともと、中学、高校とサッカーの選手として活躍し、大学もサッカープレーヤーとして、特待生の推薦を受けて体育系の大学に、将来学校の先生になるつもりで入学する予定だった。

「ところが、不整脈があったせいか、直前に入学を断られ、それでプロゴルファーになろうと決めた」とか。

 学校の先生になろうとしていたくらいだから、プレーヤーとしてよりもレッスンプロとしての方が、才能があるのかもしれない

 しかし、「(金銭的に)ぎりぎりの生活で、自転車操業をしていた。ある時など、家族旅行をしようと500円玉貯金をしていたのを、(試合に出るために)使ってしまい、ずいぶん妻に怒られたこともある」といった状況だったにもかかわらず、プレーヤーとしてゴルフをあきらめようと思ったことは一度もないという。

 身長は162センチ、「飛距離も下から数えた方がいいくらい」飛ばないが、自分の個性を生かしたプレーに自信を得てプレーオフを制して、初の栄冠をものにしたのだ。

 今年の10月には38歳になる篠崎。

 これからは彼の教え子たちの方が、ツアーで優勝を重ねてゆくことが多くなるのかもしれないが、プレーヤーとしてか、コーチとしてか、その名を残してゆくことになるのは、間違いがなさそうだ。

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