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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/2号
2007/9/20更新
30年以上に渡って集めたPGA扶助会費。
いまになって返金する不思議

 来月末になったら、男子プロ、特にベテランプロの顔が心なしかほころんでいるかも知れない。それには理由がある。実は、プロたちにとっては“臨時ボーナス”とも言える、ちょっとした額のお金が日本プロゴルフ協会(PGA)から会員のプロ全員に配られるからだ。しかもその額、総額6億円にものぼる臨時ボーナスの正体とは?

「俺のところへは、30数万円ちょっと戻ってくるみたいだな。まぁ、どうせ女房に持ってかれるんだけどさ」と、嬉しいような、悲しいような話をするのはシニアの某有名プロ。

 聞けば、このお金の話、8月以降、プロたちの間でかわされる話題の中心になっていたそうだ。

 さてこの“臨時ボーナス”の正体だが、もともとはプロが毎年PGAに納めている年1万2000円の扶助会費。

 1970年に始まった、その扶助会が今月末をもって解散するのに従い、その資産を、会員が収めた掛け金額に応じて分配するというもの。

 PGAでは、主に会員が死亡した際に、残された家族に弔慰金を支払うことを目的に扶助会を設立・運営してきた。

 ところが、「年々高齢の会員が増えたために、今後は約束した弔慰金をまかなえなくなる可能性が出てきました。そこで、そうなる前に解散することにしたわけです」(PGA広報担当)

 正確な分配金額は現在計算中とのことだが、6億円程度の資産が計上されているので、各会員には掛け金の総額プラス5パーセント程度が、この10月末をめどに分配される見通しという。

 つまり、入会後30年のベテランプロの場合、1万2000円×30年にその5パーセントを加えた37万8000円前後の払い戻しがあるというわけ。なんともありがたい臨時収入だ。

 入会20数年の青山薫プロは、「ゼロ金利時代がずっと続いてきたし、投資などの資産運用もしていないということだから、今後、資産の目減りは避けられないんだろうね。だったら、元金が戻ってくる今のうちに解散するのは、いいことじゃないの」と評価したうえで、「PGAの扶助会ができた当時のことはよく分からないけど、昔はプロのほとんどがフリーで事務所にも所属していなかったから、万が一のときに家族が安心できるような保険に入れなかったんだろうね。でも今は、生命保険はなんぼでもあるから、資産運用のできない扶助会というのは、今の時代に合わなくなったんだろうね」と語る。

 また、別のあるプロは「掛け金以上の金が戻るんだから、良かった良かった」と手放しで喜ぶ。

 というのも、昨年、中部プロ会(任意団体)では会費などの預かり金の管理に当たっていた某プロが、2200万円を着服するという事件があったばかりだからだ。

 もちろん、PGAの管理でそんな不祥事はありえないが、「それでも6億円もの資産があったんでしょう。下手な資産運用をされて、目減りされたらもっと困るからね」と、預け金に対する不安が拭えないらしい。

 今、社会的に最もホットな話題になっている公的年金も、集められた年金保険料が年金給付以外の使途に使われるなどして、年金資金が目減りしているといわれる。

 そして、公的年金の制度そのものが破綻の危機にあるとも。

 そうした事態に比べると、今回のPGAの扶助金返還措置は賢明だったと考えるべきか。

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