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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/29号
2007/5/17更新
ミケルソン、シーズン途中でコーチを
ブッチ・ハーモンに変えたワケ

 フィル・ミケルソンが、リック・スミスと別れて、ブッチ・ハーモンを新しいコーチにすることを発表した。この話は、連休直前に明かされたことだが、噂はかなり前から流れていた。また、5月になった今でも、インストラクターを変えた真相や是非をめぐって、様々な憶測や意見が、米ツアーで飛び交っている。


いつまで続く?
ミケルソン(左)とハーモンの蜜月

 噂の発端は、2月のマッチプレーで、ハーモンがミケルソンのスウィングにアドバイスを与えたことだ。

 そして、その後、ツーソンやWGCCA選手権でも、練習場で、ハーモンとミケルソンのコンビが確認されている。時間は、10分から20分程度で、短いものだったが、ミケルソンがドライバーのティショットに悩みを抱えていることが、分かっていただけに、噂が噂を呼んでいた。

 そして、その噂が決定的になったのは、マスターズで4日間、一日もアンダーパーを出すことが出来ずに24位タイに終わったことだ。

 2本ドライバー態勢でマスターズのタイトルを守ろうとしていたミケルソンだが、不本意な成績で終わったために、スウィング面からの仕切りなおしの必要を痛切に感じたようなのだ。

 マスターズ以降、スミスには、噂についての問い合わせが殺到。スミスは、「そんなことはあるわけがない。フィルに聞いてもらえれば分かる」と別れ話を完全否定。

 その一方で、古い話になるが、1996年の全米オープンで、スミスがタイガー・ウッズにアドバイスを与えたことを、当時、ウッズのコーチをしていたハーモンが根に持っているとか、ハーモンが、もう一人、アメリカ人のナンバー1プレーヤーを育てたいと語っていたとか、様々な噂が飛び交っていたのだ。

 これに対して、ハーモンは、「私はむしろ、アダム・スコットを助けて、(ナンバー1の座に)昇りつめさせたい。スミスに対しては何の悪い感情を持っていない」と語りながらも、ミケルソンをコーチすることに関しては、「ノー・コメント」で通し続けていた。

 ミケルソン本人にとっても、今回の決断には苦慮したようだ。というのも、スミスは、三つのメジャーを獲らせてくれた10年来のコーチであるばかりでなく、家族ぐるみの付き合いのある友人でもあるからだ。

「友人としてリック・スミスのところへ行き、今回の自分の判断を理解してくれるように頼んだ。彼は私の結論を応援してくれた」と語るのはミケルソンだが、ある意味では、様々な噂が流れたことによって、スミスの方にも、心の準備が出来ていたのかもしれない。

 なんといっても、ハーモンは「二人のプレーヤー(ウッズとG・ノーマン)をナンバー1プレーヤーに育て上げた人物」(ミケルソン)

 確かにトップに昇りつめた後に、この二人からクビにされているが、コーチの評価としては、スミスよりハーモンの方が高い。特に、ハーモンはミスショットの原因を言い当てることが出来ることでは、群を抜いているとされている。

 ミケルソンとしては、たとえ、「優先順位はアダム・スコットの方が上」とハーモンに言われたなどという噂があっても、残り数年のピークをハーモンに託すほうが、ベストと考えたのかもしれない。

 ただ、その一方で、今年のメジャーで結果が出なければ、ハーモンとミケルソンのコンビは、意外に早く解消される、あるいは、ハーモンから吸収できるものを吸収してしまえば二人は別れるという見方があるのも事実だ。

 現在のウッズのコーチであるハンク・ヘイニーが「(常にスウィングを)変えてゆくことが、安定させること」と語っていたが、そうした意味では、コーチを変えて行くのも、トッププレーヤーには必要なことなのかもしれない。まず、ミケルソンの全米オープンでの活躍に注目したい。

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