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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/27号
2007/2/15更新
海外でも人気凋落。WGCから
ワールドカップがはずされる。さて今後は?

 今年中国で開催されるワールドカップが、ワールド・ゴルフ・チャンピオンシップ(WGC)のイベントからはずされることになる模様だ。今年から、米PGA ツアーでは、フェデックスカップというポイントシステムとプレーオフが導入されたが、実質的に、ゴルフシーズンが、9月で終わることから、これに伴う影響が、いろいろと出始めているようだ。


01年に日本で開催された時は大人気だったが……

 アソシエート・プレス(AP)が伝えたところによれば、W今年11月22日~25日に中国のミッションヒルズGC(オラサバルコース)で開催が予定されているワールドカップにオメガ社が冠スポンサーとなると同時に、WGCのシリーズからはずされることになるという。

 ワールドカップといえば、各国が2名の代表プレーヤーを出して争うチーム戦で、1957年、当時カナダカップといわれたこの試合で、中村寅吉、小野光一が、サム・スニード、ジミー・デュマレ組を下して、世界一に輝き、日本に第1次ゴルフブームを引き起こした伝統ある試合。

 2001年には太平洋クラブ御殿場コースで試合が行われ、米国からはタイガー・ウッズ、D・デュバル組が参加し大ギャラリーを集めたことを記憶している人も多いだろう。

 また、02年にもメキシコで開催された試合で丸山・伊澤組が優勝したことは記憶に新しいが、01年の試合以降、タイガー・ウッズが、この試合に出なくなって以来、選手の弱体化が表面化して、この試合の人気も凋落していた。

 実際、昨年の試合で、ワールドランキングのトップ10に入っているプレーヤーは、わずかに、アイルランドのP・ハリントン(8位)とイギリスのL・ドナルド(9位)だけ。

 そのドナルドが
「アメリカはワールドランキングのトップ3がいる非常に強いチームであるはずなのに、ランキングの下の方のプレーヤーまで、出場するプレーヤーを探さなければならないなんて、恥ずべきこと(米チームはS・シンクとJ・J・ヘンリーだった)。でも、アメリカばかりを責めるわけにはいかない。他の国も、最も強いプレーヤーを送り出しているとはいえないからね」
 と語るように、WGCのイベントとはいえ、2軍のチーム戦のような様相となっていたのだ

 いまや、高額賞金やメーカーとの高額契約で、トッププレーヤーたちは、賞金や国の名誉よりも、しっかりとシーズンオフをとって、エンジョイすることのほうを優先するようになり、11月や12月の試合には出たがらなくなってしまっている。

 実際、10月にイギリスで開催される世界マッチプレーも、現在来年以降のスポンサーを探している。この試合、03年に10年契約で HSBC銀行が冠スポンサーになったが、2億3000万円を越える優勝賞金にもかかわらず、トッププレーヤーたちを招聘できなかったことで、スポンサーを降りることになったとか。

 ワールドカップに関しては、昨秋、PGAツアーのT・フィンチェムコミッショナーが、今年と来年、ミッションヒルズで開催し、その後10年、WGCのイベントをこのコースで開催すると発表している。

 しかし、2009年以降、ワールドカップがWGCから外れるとなると、この契約がどうなるのかは、未定のようだ。

 ただ、WGCのシリーズは、これで、残り3試合となるが、このすべてが、アメリカで開催されることになってしまう。

「すべてのWGCのイベントがアメリカで開催されるのには、不満がある」としていたのは、G・オグレディ欧州ツアー会長だが、ある意味ではWGCが、ヨーロッパではなく、中国で固定されてしまうことにも、不満があったのかもしれない。

 いずれにしても、米ツアーで、フェデックスカップが導入されたことによって、WGCの試合の価値が相対的に落ちるとともに、オフシーズンの試合にアメリカのトッププロが出場する可能性は、メーカーとの契約などがない限り、ほとんどなくなってしまったといえるだろう。

 この流れを変えるためには、タイガーやミケルソンに代わるプレーヤーが、ヨーロッパやオーストラリア、あるいは日本から出てくることを待つしかないということか……。

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