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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/13号
2007/2/30更新
女子ワールド杯優勝、
パラグアイの「ゴルフ度」って、どんなもの?

 女子W杯で意外な伏兵が――。南アフリカで開かれた第3回大会で栄冠をせしめたのは、初出場のパラグアイで、2位の米国に7打差をつけての圧勝だった。日本勢はといえば、今回は諸見里しのぶと上田桃子が出場したが、14位と振るわなかった。このパラグアイという国、ゴルフではほとんど無名に近いが、いったいどういう国なのだろうか。


初出場で初V。右・グラナダ、左・トロチェ

 パラグアイを優勝に導いたのは、米ツアー賞金ランク4位のフリエタ・グラナダ(20歳)と同180位のセレステ・トロチェ(25歳)で、息もピッタリのこの2人は子どもの頃からの仲良しコンビ。

 昨年の最終戦ADT選手権で米ツアー初勝利をあげたグラナダは、14歳の時母親と共にフロリダに渡米、D・レッドベターのアカデミーに入校、車社会の米国でどこに行くにも自転車だったのは有名な話。

「車を買うことが夢だった」グラナダは、優勝賞金の100万ドルで、その夢を果たした。

 一方のセレステ・トロチェは、04年のニチレイカップで来日したこともあるが、ランクでは米ツアー180位。

 昨年も成果が上がらず「もうゴルフをやめようか」と悩んでもいたが、グラナダと共に世界に認めてもらいたいという気持ちが強くあり挑戦したという。

 グラナダは常々「セレステのようになりたい」と口にしており、今回もセレステと組むことができて出場に踏み切った。最初は「自分は世界に通用するだろうか」と緊張していたが、「セレステに助けられた」と現地の新聞に語っている。

 セレステは初日の出だしが悪かったグラナダにこう囁いたという。
「18ホールある。最初で失敗しても残り17ホールで取り返せばいい」

 これですっかりリラックスしたグラナダは、プレッシャーを感じることなくプレーに集中できたという。

 そんなグラナダとセレステだが、この2人、意外にも日本でも馴染みのあるカルロス・フランコの教え子でもある。

 パラグアイは、南アメリカ大陸のほぼ中央に位置し、日本より一回り大きい国土に約600万人の人口で、日本が最大の経済援助国でもある。

 現在、プロゴルファーはグラナダ、トロチェ以外には24人。ワールドランキング200位以内には、グラナダ以外には誰もいないゴルフ後進国。

 ゴルフ場は、まだ6コースしかないが、そのうちの1コースを経営しているフランコはゴルフアカデミーも主宰しジュニアの育成に取り組んでいる。

 子どもの頃のグラナダを見てフランコはこう言ったという。「この子は伸びる。ゴルフを教えたい」。その心眼に狂いはなかったようだ。

 S・バレステロスやA・ソレンスタムのように、1人のスタープロが誕生をするやそれによってその国の≪ゴルフ度≫がグッとアップする

 グラナダは今後米ツアーを主戦場にする予定だが、活躍いかんではパラグアイのゴルフ度がアップするのは間違いない。

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