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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/22号
2005/11/9更新
ゴルフ場で和牛飼育や有機野菜作り
遊休地を利用した徳山国際CCの試み

 アメリカ産牛肉の輸入再開が間近と伝えられるなか、日本人の「食の安全」に対する意識は一層敏感になったようだ。ゴルフ場のレストランでも、最近は有機野菜の使用し、「安全性」や「健康」を謳うところが少なくない。そうしたなか、場内の遊休地を利用した有機野菜栽培に加え、新たに牛の放牧まで始めようというゴルフ場が現れた。

 ゴルフ場によっては、場内に広大な遊休地を抱え、その管理に頭を痛めているところもある。有効利用を図ろうにも、立地上の制限やコスト面の問題から、適当な事業が見つからないというのが実情のようだ。

 滋賀県にあるベアズパウジャパンCCでは1年半前から、場内に広がる遊休地(約1万平方メートル)を使って、有機栽培の農園事業を行っている。

 もともとはゴルフ場管理で大量に発生する芝草や間伐材から堆肥を作り、大量の肥沃な土ができたために乗り出したもの。

 そして、そこで今人気の京野菜を中心に多くの有機野菜作りを行い、収穫物はハウスのレストランに供するほか、同ショップはもちろん、地元店や通信販売でも売りだすと、さっそく評判を呼んでいる。

 ただし事業としては、なかなか収益が上がるまでには至らず、苦戦しているとのことだ。

 一方、同様の野菜栽培事業を10年以上も前から継続し、今後も維持・発展させていこうとしているのが、山口県の徳山国際CCだ。

 同CCでは遊休地約2000平方メートルを利用して、今の季節にはカボチャやソーメンウリといった一般的な野菜を無農薬、有機肥料で栽培。もちろんできあがった作物はレストランで使用する他、一部は加工品にしてショップで販売、今ではお馴染みの土産品になっている。

 この農園に加え、来春から別の遊休地で2頭の和牛を放牧することになったのだ。

 きっかけは、地元が実施しているレンタカウ制度(雑草処理のための牛を無料で貸し出す制度)。同CCでも2年前から、遊休地の雑草を食べてもらうために、2頭の肉牛を借り受けて放牧してきた。

 その結果、飼育に自信を深め、来春に2頭の和牛を購入、本格飼育することにした。2頭はともにメス牛で、種付けを行い、生まれた子牛を販売する計画という。

「2年間の飼育で、それほどの手間がかからないことがわかりましたから……」と語る尾崎邦明支配人によれば、現在、農園の専従員は2~3人だが、コースのスタッフの協力体勢が出来上がっており、作業や業務が滞ることはないという。

 放牧地はコースからはちょっと離れているが、遠くに見渡すことができるので、プレーヤーには農園と放牧牛という、いかにもカントリーな風景が目に入ることになりそうだ。

 ところで同CCは、地元では有機野菜作りだけでなく、池の雑草駆除のアイガモ飼育や太陽光発電など、エコロジーなゴルフ場としてのイメージが定着している。

「農園事業も、収益的にはまだまだです。しかし、せっかくそうしたいいイメージができあがっていますから、今後も自然との調和を大切に、環境にやさしいことで、うちにできることがあれば取り入れていきたいと思います」(尾崎支配人)

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