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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/6号
2005/8/31更新
全米OPで人気者になった「太っちょ」プロ
ゴアが証明した「米2部ツアーはハイレベル」

 今年の全米オープンの最終日、最終組でラウンドした「太っちょ」のジェイソン・ゴア。
 結果は最終日84の大叩きで散々だったが、メジャー大会で自信を得たのか、その後PGAの2部ツアーであるネーションワイドツアーで2連勝したかと思えば、先のコックスクラシックで2日目にネーションワイドツアー史上3人目の59というスコアを出し、出場3試合連続優勝。
 その憎めない風貌も相まって、いまや米ゴルフ界の人気者だ。


いまや米ツアーの人気者

 ゴアはこれで、自動的に来年のPGAツアーカード(米ツアーシード権)をものにすることになったが、ネーションワイドツアーが「ゴアツアー」と言われ始める一方、ゴア人気とともにこの2部ツアーが注目され、その高いレベルが評価されている。

「6カ月前までは(プロゴルファーを)あきらめる準備が出来ていた。これがゴルフの面白いところだよ」と来年のツアーカードを獲得したことを知ったゴアは涙ながらに語っていたが、それもそのはず。

 昨年はネーションワイド25試合に参戦し、13試合で予選落ち。年間7万9000ドル強しか稼げなかった。

 そんなゴアが全米オープンで大活躍した後、「ネーションワイドツアーには素晴らしいプレーヤーがたくさんいる。確かにこのツアーはここを踏み台にしてレギュラーツアーに上がって行くための場所だが、プレーヤーはもっとスポットを浴びてもいいと思う」と語っている。

 同じネーションワイドツアーから上がって来た日本の今田竜二も、全米オープン出場時に、「ゴアとは何度か戦っているけど、彼ならメジャーに勝ってもおかしくない。ネーションワイドの水準は、皆が考えているより高いんだ」と、話していた。

 彼らのように2部ツアーから這い上がってきたプロには、D・トムズをはじめ、J・フューリック、T・レーマン、J・デーリー、D・デュバルといったメジャーを制しているプレーヤーが大勢いる。

 そして今年のジョンディアクラシックに初優勝したショーン・オヘアのように、毎年のようにネーションワイドから上がってきたプレーヤーが、レギュラーツアーですぐに優勝を飾っている。

 それだけネーションワイドツアーの水準は高く、単純に「2軍ツアー」と考えるのは間違いのようだ。

 かつて日本のプロツアーは、欧州ツアーと同程度の水準ではないか、と言われた時期があったが、いまや完全に抜かれ、今ではネーションワイドツアーと日本のツアーが同水準、と言う見方がある。

 しかし日本のツアー出身者でメジャーに勝っているのは、昨年の全英オープンに優勝したT・ハミルトンぐらいで、日本人は皆無。

 米ツアーで優勝したのも青木功と丸山茂樹だけで、ネーションワイドツアーの評価が上がるにつれ、逆に日本ツアーの評価が下がっているようだ。

 もちろん、ネーションワイドツアーの評価が上がり、米レギュラーツアーに入れる人数枠が増える分にはなんの問題もないのだが、日本ツアーの評価が下がると、ワールドランキングやメジャー大会などで問題が起きてくる。

 というのも、日本の賞金王などがマスターズや全米プロに招待される慣例のようなものがあるが、現実にはそれが成文化されている訳ではなく、あくまでもマスターズ委員会やPGAオブ・アメリカの特別招待枠によるものだ。

 今年のマスターズで「日本の片山が、なぜ出られるのか?」と外国人ジャーナリストたちから名指しの質問が出たように、メジャー大会での日本人枠に影響が出てくる可能性がなくはない。

 現実にはテレビ放映権の問題などが絡んでくるので、メジャー大会で日本人枠が減ることは考えにくいが、これからもこうした批判の声が出てくる可能性は高い。

 これまで日の当たらなかったネーションワイドツアーへの関心が高まるのは悪い話ではないが、妙な飛び火が降ってこなければ良いのだが……。

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