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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/9号
2005/8/5更新
急死したイ・アイ・イーグループ元代表
高橋治則「バブル寵児」の夢の跡

 環太平洋のリゾート王と呼ばれ、世界各地のリゾート施設を次々と買収、日本国内でも数々のゴルフ場開発に関与したイ・アイ・イ-インターナショナル(以下EIEI、平成12年5月破算宣告)元代表・高橋治則氏が7月18日朝、くも膜下出血のため、59歳の若さで急逝した。また一人、バブルを象徴する事業家がこの世を去った。

 旧東京協和・安全の2信用組合の乱脈融資事件にからみ、元労働大臣の山口敏夫氏(最高裁に上告中)とともに、高橋氏が特別背任容疑で逮捕されてからすでに10年。

 平成15年6月には東京高裁が懲役3年6カ月を言い渡し、高橋氏側はこれを不服として最高裁に上告していたが、そんな高橋氏が再び世間の注目を集めたのは昨年1月。

 EIEIの破産管財人が、「EIEIの海外資産を旧長銀が片っ端から不当な安値で、しかも長銀の利益のためだけに売り払い、会社に莫大な損害を与えた」として、東証への再上場を間近に控えていた新生銀行を相手に、サイパンで訴訟を起こすと表明した時だ。

 EIEIが旧長銀相手に世界各地で起こした裁判を破産管財人が引き継ぎ、カリフォルニアとグアムの訴訟で、旧長銀の悪意を示す莫大な量の証拠が出てきたため、債権者への配当原資が確保出来ると踏んでの提訴表明だった。

 サイパンの訴訟は裁判を進めながら請求額を積み上げていくので、最大1兆円を超える損害賠償にもなりうる訴訟だったため『1兆円訴訟』として話題になったが、結局新生銀が218億円を破産管財人に支払うことで、昨年6月に和解している。

 1兆円に対して218億円とはずいぶん金額にギャップがあるが、この和解で高橋氏はRCCから、以後、民事上・刑事上の法的責任を求めないとの確約書を取り付けている。

 最高裁への上告申立理由書の提出期限を昨年6月末に控えていたので、218億円で和解することでRCCだけでなく、新生銀を含め、関係者が高裁判決の見直しを求める事実確認書や上申書を提出、最高裁での逆転無罪判決を狙ったわけだ。だが、被告本人の死去で裁判は終結、逆転無罪判決は幻となる。

ところで、旧EIEI系列の国内ゴルフ場はロイヤルメドウGC(栃木)、ヒルクレストGC(栃木)、君津GC(千葉)、平戸GC(佐賀)、アバイディングCGソサエティ(千葉)、南阿蘇CC(熊本)の6コースのみ。

 意外に少ない気がするのは、旧2信組の融資先として名前があがった10数コースが、EIEI関連というくくりで認識されているためだろう。

 高橋氏の多彩なゴルフ場関連人脈ゆえに、2信組の融資先には多くのゴルフ場が登場したが、経営者が高橋氏と個人的に懇意であるだけで、単なる2信組の融資先に過ぎないコースも十把一絡げに『高橋関連』、あるいは『EIEI関連』とされてきた。

 2信組、長銀破綻後、債権の大半がRCCに譲渡され、ゴルフ場の清算業務もすでに終わり、現在EIEI系列と呼べるゴルフ場は存在しない。

 今年3月、長年ゴルフ場経営会社と会員組織の対立が続いている船橋CCの経営陣に、高橋氏の元側近や、高橋氏に極めて近い人物が就任したことから、高橋氏が同CCを買収したのではないか、との説が浮上。しかし経営会社側の代理人である松尾翼弁護士は「オーナーは交代していない」とし、高橋氏による買収説を否定している。

 旧・長銀との海外訴訟で出てきたおびただしい数の証拠をテコに、最高裁での逆転無罪を狙っていた高橋氏には、依然としてその事業意欲を高く評価する根強いファンが多く、1000億円近い資金が集まっていたとも言われる。

「高橋氏は完全復活を宣言、倒産処理が済んで今後売りに出てくるであろうゴルフ場の買収にも強い意欲を見せている」との情報も、高橋氏周辺から聞こえてきていた矢先の急逝。

 バブル崩壊からすでに15年近くが経過、大きく様変わりしていくリゾートとゴルフ場業界をどう生きようとしていたのか、今となっては知るすべもない。

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