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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/26
2005/4/21更新
マッスル、ハーフキャビティが人気だが
アベレージゴルファーにも使えるの?
 アマチュアにとってプロモデルは憧れのアイアン。最近では、マッスルバックやハーフキャビティなどの人気が高いが、本当に使いこなせるのだろうか?

 やさしい、ボールが上がりやすい、深・低重心、スウィートエリア拡大、最適重心位置設計。アベレージ向けと見分けのつかない売り文句だが、すべてプロモデルのカタログや紹介記事に使われている言葉である。これなら自分にも打てそうと思えてくるが……。クラブ設計家の松尾好員氏にそのやさしさの度合いをフルキャビティと比較してもらった。

「確かに十数年前のものとここ2、3年のものを比べれば、かなり低重心になっていますが、アベレージが使うにはまだまだ難しいクラブです。ミスに対する寛容性が小さいからです」

 実際、ゼクシオなどと比べるとプロモデルはフェースの長さが1センチも短く、ソール幅も狭いので重心深度が浅く、慣性モーメントが小さい。

「当然、打点がばらつくような人には向きません。アマチュアに多いトウ側のミスヒットだと当たり負けしてインパクトでフェースが開いてしまいます」

 プロモデルはネックがスタンダードな長さなのでウェートの中心はヒール寄りに来る。このことからもフェースのヒール寄りでボールをヒットする上級者にはいいが、トウ寄りに打点が集まるアベレージ向けには作られていないことがわかる。

 それでもプロモデルならではの長所は捨てがたい。

「ほとんどが軟鉄なのでロフト・ライ角が調整できるメリットは大きい。とくにライ角は方向性の生命線ですから。また、プロモデルはメーカーが相当力を入れて作っているので完成度が高い。その割に値段も抑えめなので、ジュニアや学生、20代から30代の上昇志向のゴルファーにはおすすめ。いま大型のキャビティを使っている人でも徐々に小さくしていけば使えると思います。ただし練習する、という条件が付きますし、ドライバーとのマッチングも考える必要もある。つかまりにくい大型ドライバーを使っている人が、小さなプロモデルのアイアンを使うとつかまりすぎてしまいます」

 また、プロモデルが人気を集めている理由について、「チタンフェースが飽きられてきたのでは」と分析するのは二木ゴルフ南浦和店・藤平高店長だ。

「今まではキャビティ、イコールやさしいクラブという理由だけで選んでいたのが、最近はプロモデルの操作性やフィーリングのよさが見直されているようです」

 一方、アベレージ向けのアイアンは、各社が飛距離とやさしさを競い合っている。チタンやマレージングなど高強度の素材で薄く仕上げて反発力を高め、フェースが軽くなる分を周辺に配分して慣性モーメントを高める。ボールの上がりやすさを生かし、ロフトを立てて飛距離を稼ぐというのが手法だ。

 しかし、誰が打ってもやさしく飛ぶ長所は、一定レベル以上の技術を持つゴルファーには飛距離や球筋のコントロールができないという弊害に変わる。かといってプロモデルは体力的にもきつい、というベテランゴルファーのために、ヘッドサイズは中間、形状もブレードとキャビティを足して2で割ったようなプロモデルと大型キャビティの間に位置するアイアンも登場してきた。

 あとは、増えた選択肢を生かして、どう自分に合うアイアンを見つけるかだが、「ブランドにこだわらず自分の合うアイアンをフィッティングして欲しいという人が増えましたね」(二木ゴルフ南浦和店・藤平店長)というように自分の中での先入観やこだわりを捨てることが、いまのアイアン選びには大切なようだ。

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