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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/22
2005/2/17更新
カート暴走事故に8000万円の賠償命令
怪我しないでプレーするための安全策は?
 先月、乗用カートの暴走事故により後遺症の残る大ケガを負ったゴルファーが、ゴルフ場に対して損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。乗用カートの急速な広がりに、ひとつの警鐘を鳴らす事故だったのかも知れない。

 事故は98年10月に茨城県のゴルフ場で起きた。下り坂の途中に、キャディが離れて止めてあった電磁誘導式の5人乗りカートに原告ゴルファーらが乗り込んだところ、カートが動き出した。そして、ブレーキが効かぬままカート道路から飛び出し、立ち木に激突。原告の男性は首に重症を負い、運動障害の後遺症が残ってしまった。


車は「走る凶器」です
 そのため、ゴルフ場側に約2億円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は「事故は、キャディが雨中の急な下り坂で、カートの主電源を切って停止させていたためにブレーキが利きづらかったのが原因」と指摘。キャディが電源を切って、カートから離れたことに過失を認め、約8000万円の賠償をゴルフ場側に命じた。

 これほど大きな人身事故はまれだが、乗用カートを導入するコースが増えるにつれ、衝突等の事故も増加しているようだ。

「事故が多いのはキャディマスター室の前。カートも人も込み合ってますし、これからスタートの人は急ぐ余り注意が散漫になっていますから……。電磁誘導式の場合、運転席に乗ったまま、ブレーキ操作のことを忘れる人がいるようです」(ゴルフ場運営コンサルタント・菊地英樹氏)

 また、最近増えつつあるフェアウェイへの乗用カート乗り入れ可能な洋芝コースでは、ついつい荒っぽい運転をしがちなようで、小規模な事故が頻繁に起きているそうだ。

「カートの正面に衝突防止用のセンサーが付いていますが、感度を上げると、ちょっとした小枝でも止まってしまうので、緩めているところがあります。そうすると、今度は肝心の人を感知できずに、ゴツンとなる」(某ゴルフ場関係者)

 特に、モーター式のカートは駆動音が静かなため、接近に気づかず、実際に人にぶつかったり、ぶつかりそうになって慌ててよける際にケガをする例があるという。

 実は、そのため最近は鈴の音が鳴る装置を付けたカートがある。

「メーカーが装備する以前、わざわざ自分たちでカートに鈴を付けたゴルフ場が県内にあります」と語るのは、千葉県ゴルフ協会専務理事の加藤重正氏(前・千葉夷隅GC総支配人)。

 さらに問題なのが、多少の無理をして乗用カートを導入するゴルフ場があることだ。

「確かに、最近はカート道路の傾斜が急すぎたり、カーブがきつ過ぎるコースを目にするようになりました」と証言する関係者がいる。

 メーカーでは当然車種ごとに、安全運用のためにカート道路の最大傾斜などを明示しているのだが、ゴルフ場側が工事費負担等の問題からそれを遵守せず、従来のカート道路のまま運用しているからだ。

 また、傾斜の緩やかな遠回りのカート道路を新設することにより、プレーの所要時間が延びる。あるいはカートの走行距離が長くなるといった営業面での負担もあるため、多少の無理にも目をつぶっているようだ。

 前出の加藤専務理事はあくまでも一般論と断ったうえで、「乗用カートの導入に際しては、万が一事故が起こったときには人身にかかわるものですから、導入には時間をかけて、慎重にすべきでしょうね」と語る。

 コストダウンから導入するコースもあるが、コストより安全が重視されるべきことは言うまでもないだろう。

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