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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/1
2005/1/29更新
「ミサワHDが10ゴルフ場売却」の報道で
好調な「ミサワリゾート」が受けた誤解
 昨年暮れ、大手スーパー・ダイエーとともに、産業再生機構の支援が決定した住宅建設大手のミサワホームグループ。グループが所有する海外2コースを含む10コースを売却するなど、リゾート事業からの撤退が決定している。その計画が次第に明らかになっていく中、困惑している会社があった……。

 ミサワホームグループの中核、ミサワホームホールディイングス(HD)株式会社と、子会社のミサワホーム株式会社など31社の、産業再生機構による支援が正式決定したのは暮れも押し迫った、昨年12月28日のこと。その後の記者発表や債権者に向けての説明会で明らかになったのは、平成17年3月期には約1684億円の債務超過に。これを解消するためにUFJ銀行を中心に1200億円の債権放棄を含む、2400億円の金融支援を実施、資産の売却を進め、今後は住宅事業に特化し、リゾート事業やファイナンス事業などからは完全撤退する。すでにスポンサーにはトヨタ自動車が決まっており、減資後には新たな資本金の3分の1を複数社で共同出資する予定でもある。

 この方針を受け、グループのミサワアドニスGC(岐阜)、ブラッサムガーデンC(山形)を経営するミサワホーム100パーセント子会社の株式会社エム・エル・シー、同じく同社100パーセント子会社でグアムのタロフォフォGRを経営する株式会社ティー・ジー・アール、さらに地元2町も出資する第三セクター、ミサワカーディナルGC(新潟)を経営する株式会社中条リゾート3社は、同日、民事再生法を申請した。残る6コースについても、早期に手離すものと見られている。実際にミサワホーム本体の持つミサワ北海道GR、系列会社の持つ株式会社ミサワテクノブリティッシュガーデンC(山梨)、ミサワガーデンC(栃木)、株式会社ミサワホーム福島の持つ三沢杜の公園GCの4コースは、整理に向けて新年早々、名義書換停止の措置に入った。

 もっともミサワホームグループのゴルフ事業撤退について、「たとえばゴルフ事業から撤退した民事再生中の大京には、鳩山CC、大京CC、東庄GCなどの有名コースがあり、実際に鳩山では20数社が買収に名乗りを挙げた。だが、ミサワには地方が多いだけに、それほど業界の話題にのぼるニュースではない」(ゴルフジャーナリスト)との、冷ややかな見方もある。

 もっともダイエーとともに産業再生機構の支援が決定し、「ミサワホーム、リゾート事業から撤退」と経済ニュースとして報じられたことで困惑しているのが、「ミサワ」と「リゾート」を社名としたミサワリゾート株式会社(平田秀明代表取締役)だ。

「非常に大きな誤解を生んでいるようですが、まず弊社は今回の(再生機構支援の決まった)31社にも入っていませんし、(ミサワホームの)連結の対象でもありません。まずご理解いただきたいのは、ミサワホームさんが1株主という関係はありますが、独立独歩の別法人だということです」(同社・広報部)

 ミサワリゾートは、ゴルフやホテルなどリゾート事業を中心にした、東証1部上場企業。とりわけゴルフ場については、独自のノウハウで現在、国内20数コースを運営している。確かに、ミサワ北海道GRなどミサワホームグループのゴルフ場も運営しているが、久慈大洋GC、北武蔵CC、水戸後楽園CC、勝田GCなど、ミサワ以外のゴルフ場運営が圧倒的に多い。

「ミサワホームグループの系列コースが今後どのようになるのかは不明ですが、弊社としてはゴルフ場事業を中核としてとらえ、今後も積極的な事業展開をしていく予定です」(同広報部)

 ゴルフ場運営を中心としたリゾート事業は、16年9月期の中間決算では売上高で前年比7パーセント増、営業利益で62.6パーセント増という好調ぶりを見せている。また昨年11月からは、同社のゴルフ会員権営業部である「日本ゴルフ会」が、インターネットを用いた顧客参加型の会員権マーケットである「日本ゴルフ会net」を大々的に立ち上げた。

 さらにいえば、一昨年にはUFJ銀行、野村證券の子会社である野村プリンシパルファンドと共同出資で、ゴルフ場買収を目的とした和製ファンドも誕生させている。これは3社で「投資事業有限責任組合」を設立、出資金で経営難のゴルフ場買収し、さらにミサワリゾートが運営受託するという内容だ。

「まだ成立した案件はありませんが、ファンドも含めて積極的にゴルフ事業を展開していくという、弊社の方針に変わりはありません」(同広報部)

 リゾート事業から撤退するミサワと、リゾート事業に力を入れる「ふたつのミサワ」。その動向は、ゴルフ業界にとって見逃せないことは事実である。

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