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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/1
2005/1/29更新
履き心地の良さに加え、飛距離アップも!?
「ネオ・スパイクレス」が今年のトレンド
 新しいパターンや素材の採用でグリップ力を飛躍的に高めた「ネオ・スパイクレス」とでもいうべきゴルフシューズが、今年も各社から登場し、ゴルファーの人気を呼びそうだ。

 スパイクピンをひっかけて芝を傷つけるという理由から、ゴルフ場で金属スパイク禁止の動きが広まるにつれて登場したのが、ゴム底に細かな突起をつけたスパイクレスシューズだった。けれど10数年前に流行したスパイクレスシューズは、履き心地はともかく、グリップ力という点で金属スパイクシューズとは比べものにならず、日本のゴルフ場のように斜面の多い地形では危険という声すら上がった。そこで金属スパイクに取って代わったのは、金属ピンの替わりに硬質樹脂製のピンを取り付けたソフトスパイクだった。それでも不満の残る上級者や競技志向のゴルファーには、今だに金属スパイク信奉者も多い。

 そこで、さまざまな形状の突起を配列して、スウィングや歩行時のグリップ力を向上し、スパイクレスの弱点といわれた耐摩耗性もアップさせた新しいタイプのスパイクレスが登場した。SRIスポーツから02年2月に発売された「デジソール」は04年7月までに約30万足が出荷されるヒット商品となり、最近では「ゴルフシューズの販売量のうち7~8割がデジソール」(同社経営企画部広報担当/藤田英明氏)と金属スパイクやソフトスパイクを押しのけて完全な主力商品となっている。

 それまではプロの多くが金属スパイク愛用者だったが、いまでは「ネオ・スパイクレス派」に転向している。契約選手のほとんどが「デジソール」を履いているのはSRIスポーツ。真っ先にスイッチした細川和彦は、グリップ力のほかに疲れにくさを長所として挙げている。「ピンを交換するタイプのシューズは金属の台座がソールに埋め込まれており、その部分には屈曲性のある材料が使えないため、履き心地は断然スパイクレスの方が優る」(前出/藤田氏)ためだ。また、ブリヂストンスポーツでは、4割ほどの選手が同じくネオ・スパイクレスの「トレッドグリップ」を選んでいる。宮里藍・聖志兄妹もネオ・スパイクレス派だ。

 今年は各社からさらに性能を向上させたネオ・スパイクレスが登場する。SRIスポーツは、2月後半にソールパターンを変えてグリップ力を高めた「ニューデジソール」を投入する。また、ブリヂストンスポーツが発売するのは、左右非対称のシューズ。靴といえば左右対称が常識だが、「飛びスパイク」と命名されたこのシューズは、ソールパターンとソフトスパイクピンの配置を左右それぞれ最適にすることで、右足の蹴りの力を最大限に発揮し、左足用はスウェイを防ぐよう設計されている。これによってヘッドスピードのアップも期待できるということで、これまでデザインや履き心地を競ってきたゴルフシューズも、いよいよ飛距離やスコアに直結する機能をアピールする時代がやって来るかもしれない。

 その一方で弊害も指摘されている。「その気軽さから、どこにでも履いていける靴と思われがち。ゴルフ場の行き帰りはともかく、普段履きに使っている方もいらっしゃる。外から芝の病気を持ち込まないためにも、コースではきちんと履き替えるのが本来のゴルフシューズの使い方とお客様には説明しています」(松坂屋名古屋店ゴルフ売場/竹下久氏)とブームの裏側に潜むマナーの低下を懸念する声も出ている。実際、一部の名門コースでは、外から履いてきたシューズを履き替えないとコースに出られないよう厳しくチェックしているところもあり、今後はゴルファーのモラルが問われそうだ。

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