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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/16
2004年更新
来春、川奈のフジサンケイを女子に取られ、
なお続くJGAとJGTOの一触即発劇
 フジサンケイクラシックの開催時期を巡り、日本ゴルフ協会(JGA)と日本ゴルフ機構(JGTO)が揺れている。日本オープン開催期間中に、一部で報道されたように、来年、ツアー競技のフジサンケイが日程を変更し、各地区オープンと同週開催を決めたことに対して、JGA側が猛反発。これを受けたフジサンケイ関係者も反発の色を濃くしているというから穏やかではない。

 事の発端は、女子プロ人気だった。男女両方のトーナメントを開催しているフジテレビ側が女子の試合を川奈でやったら絵になる、と考えて、長年、男子のフジサンケイクラシック会場だった川奈ホテルを女子の舞台にすることを発案。


川奈には女性が似合う!?
 その結果、男子の方は、かつてフジサンケイレディスを行っていた富士桜CCで行うことを決めた。

 ところが、これまでの日程のままだと男子は5月、女子は9月。だが、河口湖から程近い富士桜CCは春の訪れが遅く、5月開催ではコースのセッティングが間に合わない。そのため、日程変更を模索した。女子は4月のオープンウイークで落ち着いたのだが、男子はそうはいかなかった。スポンサーが見つからず、昨年まで9月第1週だった日本プロマッチプレーの週ちょうどいいということになり、ここでの開催を申請し、JGTOもこれを了承。すんなりと決まったはずだったのだが、この週には北海道、中部、関西、中四国、九州で各地区連盟主催の地区オープンがあったことで一時は一触即発のムードすら漂うことになってしまった。

 日本オープンは、その名の通り、広く門戸を開いていることから、ツアー競技でありながら、賞金ランクによる出場権は前年度40位、当該年度8月初旬の25位までにしか与えられていない。過去10年の大会優勝者や前年度の大会上位者などで出場権を持つ者以外は、プロのシード選手といえども、何らかの方法で切符を得なければその舞台にすら立てない大会だ。

 その手段が、最終予選と地区オープンだ。そんな事情があるため、関東以外の各地区で開催されている地区オープンには、それなりに名のあるプロが出場することも多かった。日本プロマッチプレーは同週開催とはいえ、たったの32人にしか出場権がなく、大勢に影響がなかったが、フジサンケイとなるとそうはいかない。日本オープンに出場権がなく、地区オープンに出場しそうなトッププロでフジサンケイに出場権のある選手が30人程度見込まれることから、JGA加盟の地区連盟が強硬に反対し始めた。

 こうなると、これを束ねる立場にあるJGAも黙っているわけには行かない。「選手に対してどちらに出るかの選択を強いる」(塩田良事務局長)と、フジテレビ、JGTOに対してアクションを起こした。

 そういう動きがあることを察知した8月末に、JGTOには島田理事長宛に野口正三競技委員長名で、フジテレビには日枝会長宛に安西孝之会長名で文書を送りつけた。

 JGTOは12月6日の日程発表を控えてこの件に関しては「正式発表までは何も言えません」(渡辺専務理事)と慎重だが、JGAから文書が届いた件については認めている。その上で「お互いに話し合いはしました」と、言葉を選んでいる。

 だが、大会ゼネラルプロデューサーであると同時に、JGAの広報委員長でもあることから板ばさみの戸張捷氏によれば、来年に関しては同週開催を回避できず、2006年に関しては調整の方向で動いているという。

「今回は、地区オープンのことなど考えてもいなかったフジテレビ側に配慮がなかったことは否めないが、地区オープン側も、目玉選手を当てにするという姿勢は趣旨とは違う。日本オープンのあるべき姿を考えれば、やはり予選を全部で行ったほうがいい、と言う意見を(JGA内部で)言った」と正論を述べるが、関係者の対立はもっと深刻なようだ。

 今回の騒動、まとめる立場にあるJGTOがだらしないといってしまえばそれまでだが、女子人気からの玉突き現象であることを考えると男子ツアーの先が思いやられる。

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