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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/3号
2004年更新
以前より減ってはいるものの、ひと足早い
猛暑で、熱中症で倒れるゴルファーも
「梅雨明け宣言」が出る前に連日の猛暑に見舞われた今年の日本列島。暑さに慣れる前だからか、熱中症の救急搬送が急増している。東京消防庁に限っても7月1~9日で172人(うち重体10人)が搬送された。過去最多のペースという。当然、ゴルフ場でも熱中症で倒れる人が少なくない。夏本番を前に、「他山の石」としてもらいたい。

 三笠宮寛仁殿下(58歳)が先月28日、千葉県内のゴルフ場でのプレー後、気分が悪くなるなど熱中症の症状を訴え、その後大事をとって入院された。

 実際、今年は典型的なカラ梅雨で、6月末から連日、全国で30度を超える真夏日を記録した。例年にないこの暑さに、身体が慣れていないのと、心の準備ができていないためだろう、ゴルフ場でも熱中症患者が頻発しているようだ。

 まず、埼玉県の東松山周辺の消防署を管轄する比企広域市町村圏組合に聞いたところ、管内のゴルフ場では、「8日に30代と50代の女性が、それぞれ別のゴルフ場で。翌9日には、また別のゴルフ場で70代の男性が熱中症で倒れ、救急車の出場要請がありました。真夏にはたまにありますが、例年なら梅雨のこの時期には、あまり聞いたことありません」と今年の異常ぶりを語ってくれた。

 また、都内の某ゴルフ場では今月早々に50代の男性がプレー後、浴室で両足がつるという熱中症の症状を訴えたため、救急車を呼んだという。

「症状はすぐに治まったのですが、体がつったり、しびれたりするのは、心筋梗塞ということもあるので、大事をとって病院で診てもらうことにしました」(支配人)

 幸い軽い熱中症ですぐに回復したそうだが、「本人に話を聞いたところ、前の晩、あまり寝ていなかったそうです。専門家によれば、前夜の深酒と寝不足、そして水分補給の不足がもっとも危険だそうです。それと、体力を過信されるのも危ない。60代になればその点慎重で、ラウンドの途中でも中止しますが、若い人は……。(熱中症予防に効果のある)日傘も、50代までの人はほとんど差さないですね」と指摘する。

 しかし、ゴルフ場での熱中症患者は以前より減っているように思うと証言するゴルフ場関係者がいる。

「たしかに全体では減っているように思います。乗用カートの普及が一番大きいのでしょうが、ペットボトル持参で水分補給をされるゴルファーが多くなりました。熱中症に対する知識が広まったからでしょう。それと、以前のように真夏に無理してプレーする人が減ったことも原因かもしれませんよ」(上総富士GC・和多滋範総支配人)

 たしかに頷ける傾向だ。ちなみに、先の東松山地区の3人の患者だが、いずれも乗用カートではなく歩きでのプレーだったようだ。真夏、歩きでのプレーでは、決して無理をしないこと。とくに木陰が少ない河川敷は要注意だろう。

 最後に、東京都ゴルフ場連盟の森川孝志会長は「熱中症に関しては、以前から支配人会で注意をうながしたり、講習を受けたり、勉強しています。キャディや従業員も労働基準監督局の指導を受けたり、スポーツ飲料メーカーの専門家の話を聞くなど、正しい知識で、適切な対応をできるようにしています。ちょっとでも具合が悪くなれば、ゴルフ場側に連絡してください」と注意をうながす。

 今週22日が大暑。本当の猛暑はこれからやって来るはずだ。ゴルフに熱中するのはいいが、熱中症にだけはならないよう、ご用心!

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