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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/15号
2004年更新
岐阜美山CCで預託金返還訴訟起こした
会員を、詐害性アリと中間法人が反訴
 預託金の償還問題を解消するスキームとして、年々、注目を集める中間法人。だが経営会社のみならず、中間法人に対しても返還請求訴訟がなされ、これに対抗する形で、中間法人が提訴した会員を近々反訴するという。中間法人が返還訴訟をなされたのも初めてなら、中間法人が集団訴訟を起こすのも初のケースだ。

 預託金の返還訴訟阻止を目的に、中間法人が集団訴訟の方針を決定したのは、岐阜美山カントリー倶楽部の会員で組織する「有限責任中間法人・岐阜美山カントリー倶楽部」(岡本太一代表理事)だ(会員権の発行は美山観光開発(株)、ゴルフ場運営会社は(有)GMC)。中間法人の設立は一昨年の8月。その時点で美山観光開発(株)を被告とする預託金返還訴訟は7件あったが、中間法人設立後、うち3件が中間法人を被告に加え、預託金の返還を求めている。

 返還を求める会員側の代理人である横山文夫弁護士は「その件については、何もお話しすることはない」としているが、関係者の話によると、争点は商法26条で、中間法人も倶楽部名を継続して利用していることから、所有会社とともに返還義務がある、という主張のようだ。

 預託金の償還問題解消のスキームとして設立した中間法人が訴えられたことで、今後相次ぐ会員の返還請求を懸念、阻止すべく、「共同財産侵害行為」を理由に、中間法人も提訴した会員に対する反訴の方針を5月14日の総会で819名の賛同を得て決議。現在、会員数は1689名、うち中間法人の社員となっている会員は1360名。当面、1000名の賛同者を目途に1~2カ月の間に提訴する予定だという。

 岐阜美山CCは平成2年オープン。会員募集は500万円から2400万円まで1657名を集めた。ところが創業者で先々代社長時代の放漫経営が明るみになり、また再建を期して乗り込んだ先代社長が急死という事態にも見舞われ、平成12年に、岐阜財界が中心となり22社から200万円づつ出資金を募り、経営会社である岐阜美山観光の全株式を取得。これに伴ない、総額で106億円の預託金について会員権の4分割と10年据置を会員に要請、8割強の同意を得た。今回、返還を求めているのは、この要請に応じなかった会員である。

 しかし「分割や据置期間延長では抜本的な問題解決とはいえず、また民事再生など安易な法的整理は経営姿勢を問われる」(近藤博通社長)とし、平成14年に中間法人化に踏み切った。

 具体的には、経営会社は新設した中間法人に「信託譲渡」の形でゴルフ場の所有権を移転。信託譲渡とは文字通り、信じて託すこと。経営会社は中間法人に「事実上の経営権」であるゴルフ場施設の保全、使用、管理を託し、また所有権を移転したのは、返還を求める会員からの強制執行を阻止する狙いもあった。ちなみに岐阜財界22社がテコ入れした時点で、ゴルフ場施設には一切の抵当権はない。

 一方、会員は中間法人に預託金を信託することで、中間法人を構成する社員となり経営参画できることに。また社員の預託金返還請求権も中間法人に信託され、中間法人の総会決議なしには償還問題は発生しないため、事実上の永久債となった。もちろん全会員に中間法人への社員になることは強制できないが、前述の通り現在、約8割に上る1360名が中間法人の社員になっている。

「中間法人の一部役員だけではなく、現時点で約819名の会員が、集団で訴訟に踏み切るという事実が問題のすべてを語っている。一部の会員の返還請求を認め、またそれに応じれば、いかに無借金、黒字経営の当クラブでも経営危機に陥ってしまうということだ。一部会員の訴訟は、大多数の会員の利益を損なうもので、最高裁まで争ってもゴルフ界の現実を見た司法の常識的な判断に期待している」(三宅治朗支配人)

 もっとも司法の判断は予断を許さないのも事実。預託金返還訴訟においては、経営会社に対し支払いを命じる判決が圧倒的。中間法人については初のケースだが、果たしてどのような判断がなされるかは不透明だ。

 だが、今回のスキームの発案者で、集団訴訟の代理人にも予定されている西村國彦弁護士は「今回の訴訟で商法26条をは基本的な争点ではない。反訴は預託金問題が抱える、個人の利益を声高に、かつ早く主張する者が得をし、多くの善良な会員の利益を損なうとの矛盾を裁判所に問うもの。返還請求者が詐害行為、強制執行妨害との主張を展開することは最初から想定していたが、果たしてどちらの行為が詐害性があるか、単なる一ゴルフ場の問題でなく提起していきたい」と強気の構えだ。

 その顛末は今後の成り行きに注目するとして、「経営的に安定したゴルフ場ほど預託金の償還が集まり、それが経営基盤を揺るがしてしまう」(都内会員権業者)との矛盾は確かにある。実際、岐阜美山でも岐阜財界が支援、中間法人に経営が移った後、平成14年には岐阜県内で最高の入場者数を記録、売り上げも55パーセント増で黒字転換、さらに80万円だった会員権も、現時点で150万円前後で推移、しかもゴルフ場施設には抵当権もない無借金経営だ。それだけに償還圧力が高まる危険性があるのは、なんとも償還問題の抱える大きな矛盾ではある。

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