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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/6号
2004年更新
今季から欧州参戦。カタールマスターズの
2位で、早々とシード“当確”の佐藤信人
 今季から欧州ツアーに参戦中の佐藤信人が、中東で行われたカタールマスターズで、優勝したヨアヒム・へッグマン(スウェーデン)に1打差の2位に入った。83年の青木功以来の日本人による欧州ツアーVの快挙は逃したものの、自身参戦3戦目にして、早くも結果を出した佐藤に試合を振り返ってもらうとともに、今後の目標などを聞いてみた。

------初日からずっと首位をキープ。優勝争いの重圧があった?

「いや、最終日の朝までまったく緊張感はなかったです。カタールは宗教の関係で日曜日は休日ではないので、最終組でも午前中はギャラリーはパラパラで、会場全体に緊迫感がなかったです。午前中バーディ4つ獲ってから、後半はボードを見るようになり、少しピリッとしてきましたけど」

------優勝を意識したのは?

「僕が17番グリーンに上がる前にヘッグマンが18番でバーディを獲ったのを確認し、その時点で2打差あるのは知ってました。最終日の風向きは18番のパー5はアゲンストで、イーグルを取るのは不可能なので、追いつくには17、18番と連続バーディが必要でした。だからその17番のパットのときに初めて優勝争いを意識して気合が入ったし、緊張しました」

------パッティングのラインは?

「下り6メートルでボール1個分のフックラインでした。カップの右を抜け、その瞬間これで優勝はないなと思いました。でも18番で1.5メートルのバーディパットを入れて単独2位でホッとしました」

------中東は気象状況やコースが日本と違い大変だったのでは?

「気温は高いですが、湿度が低いので日本の夏より過ごしやすいです。カタールのゴルフ場は基本的には平坦ですがホールによっては難しいレイアウトも結構あります。グリーンは沖縄のような芝質で、あれをもっと速くしたようなグリーンでした」

------直前のドバイデザートクラシックは予選落ちでしたが。

「『ドバイ』は初戦の『香港オープン』以来3カ月ぶりの試合でしたし、試合もメジャーっぽい感じだったので緊張したということもあるのですが、でもショットの調子は悪くなかった。ただパッティングが入らなかったですね」

------『カタール』ではパットがよく入るようになったのは?

「『ドバイ』で室田(淳)さんと練習ラウンドしたときに、クロスハンドグリップの握り方を『右は普通に、左は添えるだけ』と教えてもらい、それが馴染んできたのがよかったのかなと思います」

------飛距離が伸びたそうですが。

「ミズノの新しいドライバー『MP-001』を使っていますが、10ヤードは飛距離が伸びました。複合素材ヘッドなのでヘッドのつかまりの良さが自分に合っていると思います」

------出発直前の沖縄合宿で、井上透コーチからどんなアドバイスを受けた?

「クラブがアウトに上がってアンダーめに下りてくる癖を、真っ直ぐ上げて下ろせるように直しているのですが、右手一本で上げるドリルでだいぶしっくりくるようになってきています。ただ、現地のテレビに映る自分の姿を見ると、あまり直っていなくてガッカリですけど」

------取材や応援が凄かったとか。

「やはり同じアジア人同士だからか『サトウ』って名前を呼んで応援してくれましたし、金曜日の僕の誕生日には現地メディアからケーキをもらったり。僕なんか無名選手で外国人、まして2位なのに現地のテレビやヨーロッパツアー専門のチャンネルからも取材が来てびっくりしました」

------嬉しいですね。

「反面、英語でのインタビューは疲れますね。日本語でも緊張するのに、ちょっと英語が話せるので通訳をつけてもらえず、話が時々止まってしまうんです」

------まだ3戦ですが、欧州ツアーと日本ツアーとの違いは?

「とくにこの3カ月は欧州本土以外の国を転戦するので、インターナショナルツアーという感じを強く受けます。日本のツアーでも最近は1ストローク内に多くの選手が集中しますが、今回の『カタール』などは2日間終わって5打差に80人以上がひしめくなんてこともあって、とにかく実力伯仲で1打の重みが大きいですね」

------これで早くも今季のシード権をほぼ確定。次の目標は?

今回優勝争いが出来たので、これを何回か続けてそのうちに運良く優勝ができればと思っています。日本のツアーは6月のミズノオープンに出場予定ですが、それ以降は未定です。米ツアーと日本ツアーの両方に掛け持ちしていた(尾崎)直道さんみたいに日欧のツアーに掛け持ち参戦できれば最高ですね」。

*


 真面目、努力家、普通の人。佐藤ほど評判の良いトッププロも珍しい。そういったキャラクターの持ち主が欧州で優勝をすれば新たなゴルフファン拡大につながるはず。今後の佐藤の活躍に注目だ。

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