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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/30号
2003年更新
“初優勝は時間の問題”だった平塚哲二が
最終戦・日本シリーズでようやく念願成就
 伊沢利光VS片山晋呉の賞金王争いに注目が集まった今季男子ツアー最終戦の日本シリーズだったが、2日目にスコアを崩した片山が早々に脱落。興味は「優勝して賞金王が理想」という伊沢の戦いぶりに移った。その伊沢の野望を打ち破ったのは「もっとも初優勝に近い男」と言われ続けてきたツアー未勝利の平塚哲二だった。

 今季開催された男子ツアー29試合すべてに出場した唯一の選手が平塚哲二だ。昨年も全試合出場を目指したが、優勝者と賞金ランク20位までしか出場できない日本シリーズはランク28位で出場できなかったので、今年もまた全試合出場を目指し、優勝もしくはランク20位以内に入ることを目標にしていた。

 昨年末に開かれたアジアツアーと日本ツアーの共同主管のアジア・ジャパン沖縄オープン(賞金は今季分に加算)で4位タイに入ったのを皮切りに日本シリーズ前週までの28試合でベスト10入りが実に14回という安定した成績で、賞金ランクは4位と大躍進。念願の日本シリーズ出場を果たした。

 しかし、再三優勝争いに食い込みながら、最終日にスコアが伸ばせず勝てなかった試合も多く、「平塚が勝てないのは日本ツアーの7不思議」とまで言われるようになったほど。

 この詰めが甘いという弱点を平塚のコーチ、内藤雄士は「最終日に崩れて負けた試合は少なく、スコアを伸ばせなかっただけ。2位と3打差ぐらいのトップで最終日を迎えれば勝てるはず」と見ていた。

 果たして、2位の伊沢と3打差のトップで日本シリーズ最終日をスタートした平塚は、コーチの予言通り逃げ切り、最終戦でツアー初優勝を飾ったのだ。

 この優勝で平塚の賞金額は1億2000万円を超え、賞金ランクも2位に。ちなみに海外賞金を除く国内だけの賞金ランクでは、1位の成績となった。その平塚の優勝の声をお届けしよう。

------優勝するのには、何かが足りないと悩んでいたようだけれど、発見はあった?

「ショットがプレッシャーで壊れていっても、あとにつなげられる、その日で一番いいもの、パットでも、アプローチでも、ひとつあれば、それでOKやということですね」

------今回もピンチを招くショットをパットで凌いでいたが。

「ショットのときはもうドギトキでした。『どこへ行くんやろ、これ』と思いながら打ってましたけど、パターのときは落ちついて集中できました。あんなにパットが入ったのは初めて」

------最終日はノーボギー。

「ショットが乱れてもあまり打たない。そういうゴルフがほんまは僕のゴルフなんでしょうね。今年はそういう1年でした」

------今回は優勝を意識して大会に臨んだとか。

「去年、日本シリーズに出られなくて悔いが残っていたので、今年はそれを目標にしていました。で、途中で、もう優勝しなくても出られるラインに行ったので『今年は最高の年やったけど、悔いが残るのは優勝してへんことだけやな』と言いながら最終戦に行ったんです。それで、ほんまに優勝を意識して、自分にプレッシャーをかけながらやったら勝ってしまいましたね」

------1年間、安定した成績を出せたのを自己分析すると。

「スウィングを見てもらっている師匠の太田了介さんとか、やっぱりコースで見てもらっている内藤コーチ、その力が大きいですね。一昨年より、去年より、ショットに対する精神的な負担はずっと薄れてきているし、安心感があります。悪いときに、どれだけ曲がる幅を押さえることができるかとか、いろいろ聞いて、勉強になります」

------これからの課題は?

「青木さんやジャンボさんみたいに、長く上にいられるようになりたいし、今の伊沢さんとか片山晋呉君みたいに、調子が悪くてもつねに上にいる選手にはなりたいですね。そのためには何をしたらいいのかは、わからないから練習します。練習だけやと思います、僕には」

------これで賞金1億2000万円。感想は?

「想像できないですね。自分が稼いだという実感もないし」

------賞金王とも大差ではない。

「今年も途中で賞金王は意識はしていました。でも『2勝ぐらいせんと届かへんな』と思ってました。賞金王は、やっぱり狙いたいですよね」

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