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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/16号
2003年更新
今季女子ツアーに出たジュニア達は驚異の
予選通過率。宮里、横峯のプロ転向はいつ?
 女子ジュニアの強さが際立っている。まもなく年間日程の3分の2になろうという国内女子ツアーだが、今年はこれまでにアマチュア、とくに18歳以下のジュニア世代の活躍が目立っているのだ。

 まず、この時期までにツアーに出場したアマチュアの成績をデータで見ると、昨年の新キャタピラー三菱終了時までで、出場延べ37人中、予選通過はたったの5人だった。トップアマと言ってもやはりアマチュア、妥当な数字といえるだろう。

 ところが、今年は同時点で、延べ出場数43人のうち、予選通過人数はなんと19人と激増。しかも出場者のうち31人がジュニアで、うち17人(ともに述べ人数)が予選通過しているのだ。

 中でも高校3年生の宮里藍と横峯さくら、中学2年生の金田久美子の3人の成績が突出している。宮里と横峰はともに4試合に出場し、すべて予選通過。

 横峯の5位タイ(NEC軽井沢72)が最高の成績だが、宮里もサントリーレディスで13位タイに入っている。金田もリゾートトラストでの不運? の失格を除けば、あとの4試合はすべて予選通過、プロを相手に堂々の戦いぶりだ。

「仲間がいっぱいいるのでやりやすい」と横峯はジュニアたちがのびのびプレーしている理由を分析するが、たしかに彼女たちの台頭ぶりは目覚しい。

 ここで気になるのが、とくに高校3年生のふたりの今後だ。もちろんプロ志望だが、これだけ人気・実力を兼ね備えながらプロとして試合に出るにはまだまだ先は長いのが実状だ。

 まず、夢は大きく、米ツアーの場合を考えてみよう。基本的に本人がプロ宣言しさえすれば、プロと認められるが、出場権は別。スポンサー推薦などで出場し、賞金を稼げればシード選手になる道も残されているが、それ以外だと8、9月と2回あるQスクールの地区予選を経て、10月のファイナルQスクールへ。この成績次第で来季の出場権が得られるが、今季はすでに地区予選の締め切りを過ぎており、来年以降に持ち越しになる。

 一方、国内ツアーの場合はもう少し複雑だ。米国のように、プロ宣言しただけでは、主催者推薦でもプロとしては試合には出られないのが現状だ。(推薦対象は、プロテストに合格するか、12月のファイナルQTに進んだTPD登録者、欧米ツアーのシード選手、アマチュア選手のみ)。

 今年のプロテストはすでに終わっているので、来季からの日本でプロデビューするにはファイナルQTまで勝ち進むことが必須となるが、現在、4段階ある国内のQTには、男子と違い、アマチュアとしての実績がある彼女たちに対する特別な免除はない。

 昨年、日本女子アマ女王、上原彩子が出願した際、各段階のQTに設けられている「LPGAが承認した者」という資格に当たるのでは、という協議が行われたが、結局、ファーストQTから受験している。

 LPGA(日本女子プロゴルフ協会)では「現在、そういう話は届いておりませんが、そのクラス(宮里、横峯)の選手から申請があった場合、どの段階のQTからかはわかりませんが、免除になることもあるかもしれません。ただ、今年に限ってはすでにセカンドQTまでは締め切りが過ぎているので、サード以降で認められた場合しかQT受験はできません」としている。

 一方、LPGAがQTと二本立てで行っているプロテストに関しては、世界女子アマ優勝者や日本女子アマ優勝者などを2次予選会まで免除しており、宮里はいきなり来年の本戦に出場できる。

 もちろん、プロテストに合格しても、トップ合格者に出場権が与えられるだけで、QTで勝ち進まなければツアー出場権はない。ただ、テストに合格すれば、主催者推薦の対象にはなるため、有望選手の場合はその手もある。

 実際、当人たちは今後の進路についてどう考えているのか? 日本女子アマ、日本ジュニアと取り残していたアマチュアのタイトルを今年総ナメにして準備万端の宮里は、プロ志望こそ前面に押し出しているが、細かいことについては慎重だ。

 対照的に横峯は、その点意思をはっきり表明している。

「早くプロになりたいです。高校を卒業してからがいいけど、その前でもいい」と言う本人を、父・良郎氏がこう補足する。

「今年も米ツアーを受験するつもりだったのですが、締め切りを過ぎてしまっていた。日本で勝ってプロ宣言したら賞金もらってそのままプロになれるそうですね。今年はあと少なくとも3試合は決まっているし……」と勝ってプロ宣言という道を狙っているようだ。

アマチュアがツアーで優勝すれば、その時点でプロテストに合格していなくてもTPD登録ができるので、本人にどうするか聞きます。そこで登録する、ということであれば、その後の出場権も発生します」(JLPGA)。不動裕理の独壇場である現在の女子ツアーにスーパールーキーのいち早い参加が望まれるが……。

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