INTERVIEW

レンジローバー

プロゴルファー藤田寛之インタビュー

Vol.11 自らのスタンスで、さらなる高みへ

通算18勝のうちの12勝が40代になってからの勝利で、
2012年には43歳で初の賞金王に輝くなど、歳を重ねるごとに進化を遂げ、
中年の星とも呼ばれる藤田寛之プロ。
師と仰ぐ芹澤信雄プロから譲り受けて以来、
約15年間ずっとレンジローバー数台を乗り継いできた。
2017年、満を持してランドローバーのアンバサダーに就任した。

自動車のスタイリングの流行が角の取れた丸いものになろうとも、低く構えた攻撃的なスタイルになろうとも、レンジローバーはいつも独自のレールの上をひた走っている。そしてモデルチェンジという節目に際し、レンジローバーの原理原則に忠実に、しかし確実にステップアップを果たすのである。そんなレンジローバーとともに20年余りの時間を経てきた藤田寛之プロの、ゴルフに対するスタンスもこれに似たようなところがある。

──藤田
「長い間ゴルフをやっていると、道具の進化も当然のようにあるし、その時代ごとのやり方みたいなものがある。例えば最近はスピンの量が少なくなってきていて低いショットが一般的になっていますが、でも僕は放物線を大事にしながらショットの精度を高めていきたい。今までのやり方をまるっきり変えてしまうんじゃなくて、少しずつ変えてカッコよくなっていくというのが理想ですね。レンジローバーの故郷である英国のイメージなんかは、頑なに変わらない、という感じですけどね(笑)」

 

藤田プロはダンヒルカップの日本代表など、これまで8回ほど英国でプレーしており、彼の地の雰囲気もよく理解している。それはレンジローバーの哲学を肌感覚で理解しているということにも繋がる。

 

――藤田
「英国のイメージと言ったら、とにかく天気が悪い! そして寒い! というだけです(笑)。というのは冗談ですけど、セントアンドリュースのコースなんかはプレーしている時でも格式の高さをひしひしと伝わってくるけれど、あれなんかもゴルフの歴史に裏打ちされた、ずっと変わっていない史実に由来する説得力なのだと思います。まあボクはあのコースは少し飽きているので、次に英国でプレーする機会があったら他のコースを希望しますけど(笑)。あと街並みなんかは伝統的な建物がそのまま残っている。だから少しも派手ではないんだけれど、お洒落で、ちゃんとしているイメージがある。他のメーカーのSUVと比べたら、レンジローバーも決して派手ではないじゃないですか。でもクルマに興味のある人なら昔から基本的なスタイルが変わっていないことを理解しているし、日々このクルマをドライブしていると敢えて変える必要がないんだということも理解できるようになる」

とはいえ現行のレンジローバーは、新型のインフォテイメントシステムである「Touch pro duo」やテレインレスポンスによる各種走行モードなど、時代のスタンダードを満たしつつ、ラグジュアリーSUVの代表格であるレンジローバーに欠かせない装備も余すことなくインストールされている。ボンネットの先端に象徴的なRANGE ROVERのロゴを掲げる伸びやかなスタイリングは伝統的なレンジローバーのそれだが、その中身は想像よりもはるかに早いペースで進化を遂げているのである。決して派手ではないし、基本的なスタンスを変えないまま、しかし明らかに進化している。

   

――藤田
「ゴルフでもクルマでも、あとはワインなんかでも、歳を重ねたからわかること、愉しめることってあるなぁと、最近思うんです。ゴルフの調子の良し悪しなんかもそうで、今はまだ決して絶好調とはいえないけれど、どれくらいのコンディションなのかというのはわかっているつもりです。もちろん改善するヒントを今でも師匠(芹沢プロ)に聞きに行ったりするわけですけど、でも結果は芳しくなくても、自分なりに納得できる試合もある。今のコンディションならこれで満足しなきゃ、という自分もいるんです」

   

年齢を経ているからこそ様々なことに理解が深まるという藤田プロ。プロスポーツの世界に身を置く彼は、反比例する年齢と体力の関係が避けることのできない壁のように立ちはだかっていることを誰よりも理解しているはずだ。そんな中で自らのゴルフを見つめ、挑戦する日々は続いていく。Above and Beyond、さらなる高みへ。藤田プロの日常を代弁するようなその言葉は、ランドローバーが掲げるブランドの精神でもあるのだ。