INTERVIEW
レンジローバー
x
プロゴルファー藤田寛之インタビュー
Vol.8 ベテランが目指す2018年の姿とは
通算18勝のうちの12勝が40代になってからの勝利で、
2012年には43歳で初の賞金王に輝くなど、歳を重ねるごとに進化を遂げ、
中年の星とも呼ばれる藤田寛之プロ。
師と仰ぐ芹澤信雄プロから譲り受けて以来、
約15年間ずっとレンジローバー数台を乗り継いできた。
2017年、満を持してランドローバーのアンバサダーに就任した。
――まず昨シーズン立てた目標から聞かせてください。
「最近は具体的な目標を立てていません。ただサポートしてくれる方、応援してくれる方に良いニュースを届けたいということがありました。この良いニュースとは、トーナメントでの優勝ですね。優勝争いをたくさんお見せして、その最高の結果が優勝というかたちになります。そこに向かって昨年もプレイしていました」
――実際、2017年を振り返るといかがですか?
「最後に僕が優勝したのは2014年になります。それ以来、自分の中でなかなか上手くいかないシーズンが続いています。とはいえシードはキープできている。年齢と自分のゴルフのポテンシャルを考えると、悪くない位置を維持していると言えるかもしれません。そういった評価の一方で、プロゴルファーである以上、優勝など、分かりやすい活躍をしなければならないというせめぎ合いがあります。ベテランになってくると、ジレンマや葛藤がある中で戦うことになりますね」
――やはりファンは分かりやすい結果を求めますものね。
「日々サポートして頂いている皆さんに恩返しするためにも、やはりいい結果を報告したい。この気持ちが強いです。この年齢になると、このポテンシャルをキープするのは、厳しいのも現実です。でも、そんな状況のなかでも、自分のゴルフを作っていくのが『職人』だと考えています。職人ならではの『味』や『人間性』、そこから滲み出てくるプロとしての本質も、ファンの皆さんや、同じプロゴルファー仲間に感じてもらいたい。日々、葛藤していますよ(笑)」
――2018年に向けた目標を聞かせてください?またどのようにモチベーションを維持しているのでしょうか?
「モチベーションの維持は年々難しくなっています。自分は頑張っているけれど、周囲の環境、自分のケガなどもあって、簡単に疲労が抜けなかったり、なかなかフルスロットルで行けない自分になっています。それでも最終的には結果を残すことが、最大のモチベーションだし、今年の目標になってくると思います」
――ゴルフはベテランのプレイヤーがたくさん活躍されています。
「室田淳さんが優勝したり、中嶋常幸さんが53歳でレギュラーツアーを勝っている前例がありますからね。1年でも長くレギュラーツアーに残って、『あいつ、まだやってるの? 体小さいのにすごいよね』と、思ってもらえるようになりたい(笑)。同じプロから『あの人はやっぱりプロだ』と、思われるようになりたいです。杉原輝雄さんがそうだったように、たとえ成績が出ていなくても、『この人のプレイを見たい』と思われるようなゴルファーが理想です。人数は多くなくても、ラウンドに付いてくる人がいる。それは、杉原さんのゴルフを見ることで勉強になったり、感動したりするからです。勝利にこだわる一方で、それも自分が目指すところです」
――藤田プロもそういったファンの多い、ひとりでは?
「見にくる人がゼロ人になってしまったら、自分の魅力がないと思うしかない。でも、ひとりでも18ホールをずっと付いてくれる方がいるならば、それは何かを感じてもらっているということです。自分がゴルフに対して常に正直に取り組んでいることが伝わっていたら嬉しいですね。職人として、いつでも『すごいな』って思ってもらえるように、自分のゴルフを磨き続けていきたいです」
――藤田プロの思う『職人』とは、どういった存在でしょうか?
「求められている時に結果を残せることが、強さだけではないプロとしての姿だと思っています。職人とというのは強さだけではありません。常に自分のゴルフを追求し続けています。今年までは、ゴルフを磨き続ける作業をフル回転でするつもりです。考えられることはすべてやってろうと思っています。それに結果がついてくれば、最高ですね」