つるはらひろたか●ゴルフエディター兼ライターとして、多方面のメディアで活躍中。
ゴルフクラブの格付け企画「HOT LIST JAPAN」では試打テスター兼ライターを務めている。
ドライバーの飛距離は265ヤード。平均スコア82。
僕は普段からニコンのレーザー距離計を使っていますが、それは直線距離のみを測れるタイプ。今回テストした『COOLSHOT 40i』は直線距離に加えて、目標物までの高低差(勾配)を計算にいれた「加減算距離」を表示してくれるモデルになります。加減算距離とは聞き慣れない言葉ですが、“実際に打つべき距離”のことです。
今回訪れたワールドエースカントリークラブは、山岳コース。ほとんどのホールに高低差があります。11番は381ヤードのパー4で、かなりの打ち下ろし。ティショットで気になるのは、左サイドのバンカーと右側の池です。『COOLSHOT 40i』を手にして、池の手前にあるカート道までの距離を測ると、加減算距離で285.4ヤードと表示されました。風は強めのフォロー。下り傾斜でボールがよく転がることを考えると、ドライバーでナイスショットすると池に入る危険性がありそうです。左のバンカー先端までの距離を測ると、加減算距離で201.6ヤード。僕の飛距離なら5番ウッドでラクに越えます。ということで、ここは絶対に池まで届かない3番ウッドでティショットを打ちました。
初めて訪れるコース、それもセルフプレーだと、高低差を含めた距離のジャッジはとても難しいものになります。そんなときに『COOLSHOT 40i』は、いわばキャディさんの代わりになって、コース戦略を教えてくれる相棒になってくれますね。


8番は376ヤードのパー4。打ち下ろしの左ドッグレッグ。ティグラウンドからはフェアウェイが非常にタイトに見えて、狙い所が定めづらいホールです。正直、どこを狙って何ヤード打てばいいのか、一見したところまったく分かりません(笑)。
そこで『COOLSHOT 40i』を取り出して、右サイドの斜面にある5本目の木までの距離を測定しました。直線距離だと289ヤードですが、高低差を計算した加減算距離は256.8ヤード。手前に見えるコース左サイドのOB杭までの距離を測ると、加減算距離で184.4ヤードでした。ドライバーで打つと斜面まで届いてしまうので、ここは230ヤードを打てる5番ウッドを選択。5本目の木を狙って軽めに打ちました。
こういったドッグレッグのホールでは、フェアウェイの奥や手前などの数カ所の距離をレーザー距離計で測ることで、コース戦略を立てることができます。
僕はこれまで、ニコンのレーザー距離計を歴代3モデル使ってきましたが、それらはすべて直線距離のみを測るタイプでした。理由は、直線距離タイプのほうがコンパクトで携帯性に優れていたこと、それと高低差を計算した加減算距離を、僕があまり信用していなかったからです(笑)。
けれど、最新モデルの『COOLSHOT 40i』を使ってみて驚きました。加減算距離を測定できるモデルなのに、本体は従来モデルよりも驚くほど小型で軽量です。肝心の加減算距離の測定も、とても正確でした! レーザー距離計は、すでに僕にはラウンド必携のアイテムなのですが、この新しい『COOLSHOT 40i』に買い替えたくなりました。
それと最後に……レーザー距離計を初めて使う人のなかには、うまく目標物にレーザーを当てられない人がいるようです。両手でしっかりと本体を固定するのがコツなのですが、サングラスやメガネを掛けている人なら、レーザー距離計のレンズをサングラスに当てて固定するといいですよ。手ブレ防止になって、片手でも測りやすくなります。