- 小俣バイヤー
- ミズノのクラブづくりにおけるこだわりは?
- 野村クラフトマン
- 鍛造ということでしょうか。とにかく鉄の違いがいちばんですね。
- 小俣バイヤー
- プロとの関わりについては?
- 野村クラフトマン
- プロからのオーダーに対して「できない」「やれない」という言葉は言いたくないですね。
すべて応えるという姿勢で取り組んでいます。
- 小俣バイヤー
- 大切なのは信頼関係ですか?
- 野村クラフトマン
- もちろんそうですが、信頼関係を築くまでに信頼されるものをつくらないと信頼してもらえないですよね。
- 小俣バイヤー
- いちばんうれしいのは、プロが結果を出してくれたときですか?
- 野村クラフトマン
- はい、それが最善ですが、僕はプロに1日でも長くトーナメントを戦ってほしいと思ってます。

- 小俣バイヤー
- カスタマイズに関しては、どうお考えですか?
- 野村クラフトマン
- 多くのゴルファーに、自分に合ったクラブを使っていただきたいですね。
- 小俣バイヤー
- それはゴルフのレベルに関係なく?
- 野村クラフトマン
- はい。たとえば、洋服とか靴とか、自分の好みで自分のサイズのものを選ぶでしょ。
クラブも一緒ですよ。カスタマイズは、上級者だけのものではありません。
クラブは自分の持ち物、自分が楽しむ道具なのですから。
- 小俣バイヤー
- なるほど。
野村さんにそう言っていただけると、僕もカスタマイズしてよかったと強く思いました(笑)。
ところで、YORO JAPANが注目されて、プレッシャーとかありますか?
- 野村クラフトマン
- ありません。責任はいつも感じてますし、オーダーどおりにつくることが仕事ですから。
- 小俣バイヤー
- 他のクラフトマンたちも同じでしょうか?
- 野村クラフトマン
- 現場のみんなも、モノづくりのプライドもって毎日頑張ってますよ。
それがミズノだと思ってます。
最初にも言いましたが、鉄が全然違うし、ロフト角、ライ角、クラブの長さ、バランス、グリップ…すべてにおいて許容範囲が少ないのがミズノの特長です。
それをやらない、できないのなら、この仕事をしないほうがいい。
僕たちは、いつでもどんなむずかしい注文でも受けて立ちます。
- 小俣バイヤー
- ありがとうございました。

モノづくりに関して熱く語る野村さんに、「職人ですねぇ」とつぶやいたとき、「僕ね、自分で自分のことを職人とは言わないんですよ」と言われました。
職人とは自分から言う言葉ではなく、あくまでも他人の評価であり、モノづくりは謙虚であるべきだと。
「僕はただのサラリーマン。正確なクラブをつくるのが仕事なだけです。」
慢心したところは一切なく、サラッと言いきってしまうところがYORO JAPANの神髄なのかもしれません。