COURSE GUIDANCE

進藤大典キャディ厳選!
注目ホールを徹底解説

「フォーティネット チャンピオンシップ」の舞台は、
米国西部に位置するカリフォルニア州ナパのシルバラードリゾート&スパ(北コース)。
かつて松山英樹のエースキャディとしてPGAツアーを転戦し、同コースでの戦いをともにした進藤大典キャディは
「最大の攻略ポイントは勾配がキツいグリーン」と指摘する。注目ホールの見どころを聞いた。

「フォーティネット チャンピオンシップ」の舞台は、
米国西部に位置するカリフォルニア州ナパのシルバラードリゾート&スパ(北コース)。
かつて松山英樹のエースキャディとしてPGAツアーを転戦し、同コースでの戦いをともにした進藤大典キャディは
「最大の攻略ポイントは勾配がキツいグリーン」と指摘する。注目ホールの見どころを聞いた。

NORTH COURSE
Hole.3
PAR 4

わずか2ydの差でバーディがボギーになる可能性も

3番ホールは、左ドッグレッグでやや打ち上げのパー4。ティショットは右サイドを狙うと突き抜けてしまうので、フェアウェイ左サイドが狙い目です。ただし、ペナルティエリアが迫っているため、左方向に打ち過ぎるのはNG。高い精度のティショットが求められます。

ティショットに成功すると、残り距離は150yd程度、飛ばす選手だと100yd前後。セカンドショットは、奥のエリアが高い2段グリーンを狙っていくことになります。決して長い距離ではありませんが、ピンが奥に切られているときは難度がアップ。ピンから半径2mの幅に落とさなければバーディチャンスにつけられないほど、ショートアイアンやウェッジの精度が問われます。狙いどころよりも2yd手前に落としてしまうと、ボールはグリーンの下段まで転がり落ち、20ydのロングパットが残ってしまうのです。わずか2ydの差が命運を分ける2打目に注目してください。

NORTH COURSE
Hole.13
PAR 4

勝負を決めるティショット&2打目のクオリティ

13番ホールは、距離が短い左ドッグレッグのパー4。飛ばしに自信がある選手や勝負に出た選手は、左サイドの山の上をターゲットにしてドライバーで1オンを狙ってきます。一方、確実にパーオンを狙う選手はFWやUTを手にするはず。ティイングエリアでどのクラブをチョイスするかをチェックすると、選手たちの意図が汲み取れるはずです。

パーオン狙いやアゲンストの場合は、フェアウェイ右サイドがターゲット。左サイドに打ってしまうと、左の木がスタイミーになり、セカンドショットでグリーンを狙えなくなってしまいます。

打ち上げになる2打目地点からは、両サイドが高い凹型のグリーンを狙います。左右にピンが切られているときは、ピンから半径1.5ⅿの幅に乗せないとバーディチャンスにはつけられません。また、ピンがあるサイドのグリーン横に外すと、非常に難しいアプローチが残るので、スコアを落とす可能性がでてきます。セカンドショットのクオリティにも注目してください。

NORTH COURSE
Hole.15
PAR 5

グリーン周りに罠が潜むバーディ必須のパー5

15番ホールは、左ドッグレッグのパー5。ティイングエリアからセカンドショット地点までは打ち下ろしのため、ティショットで距離を稼いでおきたいシチュエーションです。飛ばす選手ほど左を向いて構えることになるので、ティショットは各選手のアドレス方向に注目すると面白いかもしれません。

一番の見どころはセカンドショット。グリーンは横に長く、センターから左右に傾斜している尾根のような形状なので、2オンを狙う場合は、失敗したとしてもピンがあるサイドに外すことが重要です。ピンの逆サイドに外すと、上って下る難しいアプローチが残ってしまうからです。また、グリーンは硬く、受けていないため、縦と横の距離感はもちろん、ボールを止められる弾道の高さがなければ2オンの確率は下がります。

NORTH COURSE
Hole.18
PAR 5

左に1yd外すよりも右に50yd外す方が寄せやすい!?

最終18番ホールは、軽い左ドッグレッグのパー5。地面が硬く、ランが期待できるコースなので、多くの選手が2オンを狙ってきます。成功させるには、ティショットでフェアウェイをキープすることが絶対条件。右サイドのバンカーを避け、確実にフェアウェイをとらえたいところです。

セカンドショットは残り230~250yd。UTから5Wでグリーンを狙います。グリーンは大きいですが受けていない形状なので、2オンさせるにはしっかりとスピンが入った高いボールが必要。セカンドショットの距離感と方向性が攻略のポイントになります。このホールの難しいところは、ピンがあるサイドのグリーン横に外した場合、トラブルになる可能性が高いこと。左サイドにピンが切ってある場合は、グリーン左1ydに外すよりも、グリーン右50ydに外した方が寄せられる可能性が高くなるのです。果敢に2オンを狙うか、やさしいアプローチを残して3オンさせるか。セカンドショットは、選手がどんな攻略ルートを立てているのかに注目してください。

進藤大典 DAISUKE SHINDOU

進藤大典 DAISUKE SHINDOU

しんどう・だいすけ/1980年生まれ、京都府出身。
東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉らのキャディを務めた後、2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。