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桃子を育てたトレーニング

06年シーズンから潜在能力の高さを見せていた上田桃子だが、あと一歩のところで初優勝には届かなかった。そんな失意のシーズンオフ、上田はある決断をする。「基礎体力は低いけど、年間3勝したいので鍛えて下さい!」上田は、以前から交流のあった菅原賢とパーソナルトレーナーとして年間契約を結んだ。年間契約にこだわったのは菅原だ。「1年を通して、最後の試合をいかに笑顔で迎えられるか」。その為には、長期的な視野でのトレーニング計画が必要だったからだ。

出会ったころの上田

ゴルフの動きを再現したトレーニング。足を閉じると、その反動で股関節を開く方向に力が働く
ゴルフの動きを再現したトレーニング。足を閉じると、その反動で股関節を開く方向に力が働く

ゴルフの技術は高かった。それに体全体のバランスは抜群で、肩甲骨の柔軟性もあった。しかし、菅原が見抜いたのは股関節の硬さと下半身の筋力不足だった。股関節の硬さは右脚から左脚へのスムーズな体重移動を阻害し、下半身の筋力不足はスイングの力強さと安定感に影響する。それを上半身でカバーしようとする無理が、首や背中の痛みに繋がっていた。

07年から上田と菅原が取り組んだのは、朝晩5〜10分のランニングと30〜40分間のストレッチ。試合中も毎日続けられた基礎的なトレーニングで、今シーズンは下半身及び体幹の強化と、股関節の柔軟性をあげることに終始した。

シーズンを通して、負荷をかけるようなトレーニングはほとんどしなかった。唯一の例外は、体力の落ちてきた夏場。体力的に一番辛いこの時期に、菅原はあえて上田にトレーニングを課し、筋力の維持を図った。「あなたは私の邪魔をしている!」休めたい体に鞭を入れ続ける菅原に上田は思わず悪態をついたという。

トライアングル・メソッド

テクノジム社のキネシスという3次元トレーニングマシン。自由な動きで筋力を鍛えることが出来る。
テクノジム社のキネシスという3次元トレーニングマシン。自由な動きで筋力を鍛えることが出来る。

菅原のトレーニングのキーワードは、「トライアングル・メソッド」というものだ。これは、ゴルフに必要な筋力、バランス感覚、柔軟性をバランスの良い正三角形になるように整えていくことにある。

筋力が付き過ぎてもスイングスピードは落ちてしまうし、柔軟性だけ高くても体に軸が無くなってしまう。また、柔軟性、筋力が揃っていても、それを制御するバランス感覚が無ければ能力を活かし切れない。3つの要素がバランスよく整って、初めてグッドパフォーマンスが得られるという考え方だ。

現在、菅原の構えるジムには一風変わったマシンが揃っている。それらは、関節の稼動域を広げる補助をするマシンや、ゴルフの動きと同じような3次元の自由な動きで筋力を鍛えられるものだ。

打撃レンジとスイング解析ソフトでいつでもスイングの確認が出来る。
打撃レンジとスイング解析ソフトでいつでもスイングの確認が出来る。

さらに同じ室内にゴルフの打撃レンジと、スイング解析ソフトも完備している。それは、「体を調整したら、その最高の状態ですぐ打てるようにしたい」という菅原の信念が形になったものだ。

今後の課題

柔軟性を高める為のストレッチは、地味だが効果のあるトレーニングだ
柔軟性を高める為のストレッチは、地味だが効果のあるトレーニングだ

今季も、1〜2年かけてピラミッドの底辺作りをしているという基礎体力アップの為の走り込みやストレッチは変わらないが、過酷な移動が伴うアメリカツアー対策として、菅原は移動してのコンディショニング、そして自己整体とよぶセルフストレッチ法を伝授した。

同時に食生活や生活リズムも重要だ。昨季は、ストレスが内臓に来てお腹が痛くなったり、消化不良でヘルペスを発症したりしていた上田だが、温野菜や鍋料理など体を温めるものを摂る様に変え、貧血を解消するためにレバーや牛乳を積極的に摂取することで、体質改善を図った。

今年は大好きなジャンクフードのあふれる地での戦いとなるが、そこは一緒に帯同する母やマネージャーとともに、良好な食生活を維持する為の“我慢”が必要になってくるだろう。

トータルゴルフフィットネス

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