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千里の道も マスターズ番外編

「週刊ゴルフダイジェスト」好評連載コミック千里の道もマスターズ番外編 作者が語るマスターズの舞台裏。 大人気漫画の作者が綿密な取材を元に綴る、知られざるメジャーの舞台裏ストーリー
Masters 第2回「マスターズの観戦スポット」知らないと損する(!?)オーガスタの歩き方
ひぇ~っ もう満席だ!

一般的にトーナメント観戦の方法は、大きく分けて二通りある。

ひとつは、お目当ての選手について18ホール歩く移動型。そしてもうひとつは、どこか一箇所に席を確保して、定点観測する方法。

で、マスターズの場合、前者はほとんどまともに見ることができないのである。

なぜか。

とにかく、パトロン達の背が高い!

そのため、あなたがよほどのノッポさんでない限り、行けども行けどもパトロンの背中ばかり見続けることになってしまう。

では、どこに観戦スポットを確保するのか?

すぐに思いつくのは、ギャラリースタンドである。たとえばアーメンコーナーが見渡せる12番ティグランド後方の巨大スタンドなどは、最も人気が高く、朝、かなり早めにコース入りしても、すでにほぼ満席状態になっていたりする。

面白いのは6番打ち下ろしのパー3。その、ティグランドからグリーンへと下る急傾斜に、ひな壇のようにびっしりとパトロンたちが座っている。

ティショットの音が後頭部で響く。空を見上げると白い弾道がジェット機のようにグリーンに向かっていく。ナイスオンなら思い切り拍手や口笛で讃えるが、誰のショットかその時点では分からない。

やがて、打ち終わった選手がホール左サイドの通路を下っていく。グリーンに達するとマークする。その時点で、やっと、さっき自分は誰に拍手を送ったのかがわかるというしだいなのである。

マスターズはプレーヤーだけでなく
観戦する人たちのマナーも世界一

あとは、マスターズグッズを売っているショップで折りたたみ椅子をお買い上げする手がある。その椅子に自分の名前を書いたりリボンを縛り付けて、他人のものと区別がつくようにしておく。


「千里の道も第三章」でも、6番ホールで観戦する
パトロンが描かれている(単行本第21巻に収録)

で、各ホールのティグラウンド周りとか、グリーン周りにローピングされているシッティングエリア(椅子に座って観戦する専用エリア)に置く。もちろん、そこでサンドイッチつまみにビールで喉を潤しながら、日がな一日過ごすのも悪くないが、時にはその場から離れて、他のホールを観に行くことも可能なのである。

というのも、置いた椅子が盗まれることは絶対にないからである。また、勝手に知らない人が座るという心配も無用なのである。それぐらい、マスターズのパトロンはマナーがいい。

――と、観戦歴十年を誇るベテランファンに教えられたのだが、最初はにわかに信じがたい思いだった。

ほんまかいな。

本当でした。

実にマスターズは、観戦に来る人々のマナーにかけても世界一。せこく人の椅子を盗もうなんてやからは、まず現れない。

それでも、万一のトラブルを防止するために、各シッティングエリアには、穏やかだが決然たる表情の警備係が目を光らせているから、さらに一層安心なのである。

とはいえ、最終日の18番グリーン周りともなると、壮絶な席取り合戦が展開されるのですが……それはまた別の機会に。

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