「ハウス設計の基本的なスタンスは3つですね。まず、うちはセルフプレーで、キャディバッグはカートまでお客様自ら運んでもらいます。だから、スタートテラスまでの距離を短くすることを考えました。それにメンバーが集うというハウスではありませんから、できるだけスペースを有効に使うことで、男女比など、さまざまなパターンに対応できるようにすることですね。そして、スタッフも少人数なので、従業員スペースをできるだけ1カ所に集めることですね」(支配人・井口良典氏)
確かに、基本的な考え方を反映している部分が数多く見られる。象徴的なのは、ロッカー。すべてのロッカーが兼用。つまり、ロッカーをいくつかの部屋に分け、男女比や入場者数によって利用スペースが臨機応変に変わる。また、独立した脱衣室をなくし、その区切られたロッカースペースの外に洗面を配置した。浴室にも兼用の洗い場スペースがある。コンペルームもあえて部屋にして仕切らず、テーブルの配置で人数調整をする。これも対応の幅を広げる工夫という。
また、採光面でも考えられている。着替えなどをするスペースとなるロッカーはそれほど明るくないが、対照的にレストランは十分に光が射し込み、明るく開放的な雰囲気を演出している。