「モチーフとなっている水、風、岩に光が加わって、建物全体のデザインを構成しています。『スポーツコミュニケーション』が、いわゆる設計のテーマです。結局、クラブハウスというより、ゴルフ場の中にある屋根のついた場所、という感覚ですね。競技場の一部ということですか」(宮崎征二支配人)
確かにエントランスホールに立っても、建物の中という感じはあまりしない。何の仕切りもないままにスタートテラスに続いている。乗用カーもエントランスホールに置かれている。レストランへも一応、壁はあるものの、外廊下という形で、屋根がついているだけの通路を通る。
曲線のない長方形の同じような四角い空間で構成され、外気や光が入りやすいというより、壁というついたてで外と簡便に仕切られているイメージだ。「建築関係者には、必ずと言っていいほど褒められるデザインが優先されている建物です。でも、ゴルフプレーの途中で休憩するところ、あるいは準備したり、プレー後にくつろげる場所という雰囲気はあると思います」(宮崎支配人)
極めて斬新なデザインながら、ハウスが、プレー気分を阻害したり、中断させたりしない。むしろ、気持ちを持続させてくれるハウスということだろう。