進入路からハウスに向うと、最初は手前に建つ石塀に遮られ、玄昌石で葺かれた屋根しか見えない。さらに進むとハウス前の大きな池が見え、全体が現れる。重厚で大きなハウスといった印象を持つ。そして、エントランスホールにはソファも棚もなく、空間がさらに広さをイメージさせる。しかし、延床面積は3500平方m足らず。決して大きくはない。
ロッカーはロビーを抜けて、再び石壁を抜けて行く。入口は大きく広い。2階もダイニングルームとバールームに分かれていて贅沢な感じがあるが、他は普通のコンペルームとバールームの奥の15~16人がくつろげるラウンジがあるだけ。無駄なものがあるわけではない。そのかわり、通路も、テーブルなどの間隔も広い。
実は、このハウス、同GC柏井健一理事長の要請で、シンプルイズベストをコンセプトに、神戸在住の画家、石阪春生氏がコーディネートを手がけている。
欧州のお城を連想させる『石』をモチーフに、照明はもちろん、ドアのノブに至るまで細部にもこだわっていただきました。周囲から見ると、ハウスはやや高い位置にあります。これは『建物は少し見上げる目線にあった方が映える』という考えからです」(山下克次支配人)
つまり、画家が目で観じたその物の本質をキャンパスに表現するように、目からの情報、印象をより重視して造られたハウスといえそうだ。