現在のハウスは、1931年(昭和6年)~32年にかけて改築されたもの。当時の百貨店や関西学院、神戸女学院、あるいは別荘などを手がけていたアメリカの設計家、ウイリアム・メレル・ヴォーリスによるものだ。内装などは、アーウイン夫人(37年のプレジデント、H.I.アーウインの妻)やサンマース理事のアドバイスがあったという。
「とにかく昔の話ばかりなので、私も勉強の日々です」とは、3年前から支配人職に就いた多田孝太郎氏。
海抜850mという、冬期は雪でクローズする六甲山の厳しい自然環境のなか、67年~68年にかけて改修、そして84年には大がかりな補修をしているが、長い歴史のなかで手を加えたのは、この2回だけ。ヴォーリスの設計が、高く評される証左でもある。
延べ床面積963.95平方メートルと、昨今のクラブハウスでは考えられないコンパクトなもの。だが、プレーヤーがゆっりと寛げるスペースは確保されている。無理・無駄がない。「シンプル・イズ・ベスト」が、ヴォーリスの設計基本だったのだろうか。
「当分の間は大丈夫でしょう。改築しようという話もありません」(多田支配人)
神戸GCに、よく似合う。