スコアに伸び悩んでいるアビームコンサルティングの3人が、90切り、100切りと、それぞれの目標設定スコアにチャレンジする企画。
限られた時間で高い目標をクリアするため、持ち前のデータ分析力を駆使することに。
同社の岡田さんの力も借りて、客観的に自己を見つめ直し、上達への最短ルートを邁進する。
4週間後のラウンドで見事ミッションクリアとなるか。

  • 宮田(45歳)

    ゴルフ歴5年、ベストスコア92。
    仕事やプライベート、何でも相談に乗ってくれる頼れる先輩。
    運動神経が良く、練習しなくても100は切れるセンスがあり、一気にベスト更新を狙う。

  • 宮澤(33歳)

    ゴルフ歴4年、ベストスコア95。
    何事もプロセスを重視する理論派。
    仕事もゴルフも2つ年下の後輩、宮本とはライバル関係にあり、常に沈着冷静。

  • 宮本(31歳)

    ゴルフ歴3年、ベストスコア103。
    おおらかでマイペース、細かいことには気にせず、何でも前向きに考え進めるタイプ。笑顔の絶えないナイスガイ。

  • 岡田

    客観的かつ冷静な判断力の持ち主で、データ分析のスペシャリスト。
    ゴルフ経験はないものの、データ活用が必ず上達に役立つと強く信じている。

新しいクラブの調子はどう?

すごく振りやすくて、打感もいい感じです。
昨日も練習に行ってきたんですけど、ボールの軌道が目に見えて変わってました。

僕もバンバン打ちに行ってます!スピンがかかるようになってボールがピタっと止まるので、アプローチの練習が楽しくて仕方ないです。
宮田さんのドライバーはどうですか?

重さやフィーリングに慣れてきていい感じだよ。
使いこなせたら90も切れそう!

皆さん、気持ちはわかりますが、少し浮かれ過ぎですよ。
目標を達成するためにまだまだ出来ることがあるはずです。次に何をすべきか一緒に考えましょう。

ロジックツリーを確認すると、残っているのは「人」と「道具」のカテゴリーです。

前回で対策したのは「道具」の「クラブ」だったね。
じゃあ今回は「人」のカテゴリーから見ていこうか。

「心」も大切ですが、
「技」、中でもスイングには3人とも、伸びしろがありそうですね。

賛成です!
もっと距離感の調整を上手くできるようになりたいですし、スイング改善に注力するのがいいんじゃないでしょうか?

決まりですね。新しいクラブに慣れるためにも、スイングスキルのレッスンを受けてみましょう。
短期間でスイングを改善する必要があるので、三田コーチにアドバイスをいただいて各々の弱点に的を絞ったレッスンを行いましょう。

バーディを量産するより、大叩きしないのが好スコアを出す秘訣。
動画でスイング診断をした後に、プロには4週間という短い時間でレベルアップを果たすための、
特別メニューを組んでもらった。

三田 貴史コーチ(GOLFTEC羽田空港店)

ゴルファーの身体に合わせた無理のないスイング作りがモットー。GOLFTEC公認クラブフィッターとして、ギアのアドバイスも送る。

三田コーチ。
前回でもお伝えした通り、宮田さんの課題は『ドライバーがスライスして飛距離が出ない』です。

はい。
それで前回はドライバーのフィッティングを行いましたね。

その節はありがとうございました。
今回は「道具」ではなく「技術」の方に焦点を当てて対策していこうと考えているのですが…

はい、岡田さんから話は伺っています。
まずはスイングの動画を撮影して課題点を探っていきましょう。

なるほど…、
宮田さんのスイングで改善すべきポイントは、こんなところでしょうか。

結構ありますね…

特にスウェーですね。
ダウンスイングで腰が左に流れているのでハンドファーストの度合いが強くなり、フェースが開いてしまっています。さあ、次はこれらの改善点をもとにレッスン内容を組み立てていきましょう。

4つの課題点を矯正するためのドリルを反復して行い、理想的なスイングを身に着けましょう。

ドリルとは一体何でしょうか?

繰り返し練習のことですね。
理想的なスイングのために注意すべきポイントを一つ一つ抜き出してそれぞれの反復練習をするんです。
ドライバーを中心にドリルとスイングの撮影を繰り返して徹底的に弱点を潰していきましょう!

わかりました。
引き続きよろしくお願いします!

数回のレッスンの後…

宮田さん、まだレッスンも途中ですがかなり改善されてきましたね!
下半身の踏ん張りがきくようになったのでスウェーが防止されて、結果フェースが開かなくなってます。スライスもほとんど出なくなりました。

ええ、ボールに変な回転がかからなくなって飛距離も伸びました。
レッスン前の平均飛距離は190yでしたけど今は平均で210yほど飛ばせてます。

いい調子ですね。
本番までまだ時間があります。レッスンで学んだことを反復して本番でも発揮できるように定着させましょう!

次は宮澤さんです。

今回もお世話になります。
私の課題は『アイアンがスライスして飛距離が出ない』です。

はい!
さっそくスイングの診断をしていきましょう。

宮澤さんのスイングで気になる点はこの2つですね。

確かに、
意識していてもついフェースが開いてしまうんですよね…。

それがスライスしてしまう一番の原因ですね。テイクバックの時点ですでに開いてしまっています。
また縦に振り下ろすようなスイングなので軌道がアウトサイドインになってしまっています。この2つが原因でスライスしてしまうんでしょうね。

フェースを閉じたテイクバックを身に着ける必要があります。
また、腕ではなく肩でアイアンを回すようにしてスイングの軸を矯正しましょう。これで縦振りのスイングも改善できます。
この2つのポイントに絞って反復練習していきましょう。

わかりました!
さっそく今日からお願いします!

数回のレッスンの後…

肩で回すスイングを練習することで、縦ではなく横にアイアンを振る感覚が身に付きました。
これまでどれだけ腕で回してきたか思い知らされました…

フェースの開きが解消されていますね。横振りに矯正できたのでスイング軌道もインサイドアウトになりスライスが起こらなくなっています。
ボールが右に曲がらなくなったので自然と飛距離も伸び、7番アイアンは140yから150yにアップしました。

素人目に見てもフォームがきれいになっているのがわかります。
この調子で本番まで頑張りましょう。

三田コーチ!
僕の課題は『100y以内のショットの距離感が合わない』ことです。最大の原因と思われるウェッジ3つを買い替えたので、あとは打ち方を直せば完璧なはずです!

なるほど。
まずは、スイング診断も兼ねて30・50・80yを打ってみてください。それを見て今後のトレーニングの進め方を考えましょう。

わかりました!

なるほど…、
スイング自体は結構綺麗に振れていて大きく修正が必要な部分はなさそうです。ただ、距離とスイングの振り幅が合っていないですね。

そうなんです。実は振り幅が全然わからなくて…。
完全にフィーリングで振っちゃってる状態なのでなんとかしたいです…

コンサルタントなんですから感覚に頼った判断はダメですよ。

距離が何yの時は振り幅は何度、というように数字で距離感を掴めるようにするのはどうでしょうか?

それはいいですね。
スリークォーター、ハーフ、クォーターの3種類の振り幅を徹底的に体で覚えさせましょう!振り幅3種とウェッジ3種の組み合わせを全て覚える必要がありますが、これを習得できれば100y以内の打ち分けが完璧になるはずです。
少々厳しいレッスンになりますが…大丈夫ですか?

大丈夫です!

なんで岡田さんが返事してるんですか。
でも、厳しい練習は僕も望むところです!

数回のレッスンの後…

100y以内の距離感がばっちり掴めるようになりました!
徹底的に反復練習をしたおかげか、10y刻みで打てるようになりました!距離ごとのテイクバックの定位置も完璧です!

まだこれで終わりではないです。
歩測ってご存じですか?アプローチで刻むことが出来ても、残りのヤードを正確に把握できていなければピンに寄せることはできません。これからは日常生活でも1歩1ヤードで過ごしてください。

わかりました!
本番までに必ず習得して見せます。

皆さん個別レッスンで弱点をかなり克服できたようですね。

もう100y以下は完璧ですよ!
次の社内コンペではかなりいいところまでいけそうです!

今から楽しみですね。
皆さんまだレッスンは数回ずつほど残っていますが、万全を期すためにレッスンと並行してできそうな対策を検討してみませんか?

岡田さんの言う通りだね!
ロジックツリーを見直して、まだできることがないか検討してみよう。

残っているのは『心』の項目と『コースの戦略力』、
それと『ボール』です。

心もコース戦略も重要だけど、最近ボールもかなり重要だと気づいたんだよね…。
ずっと使っていたロストボールから、コンペでもらった高級なボールに変えてみたら、それだけで飛距離が上がったことがあったんだよ。

ボールですか…。
ボールの選び方って結構難しいですよね。同じくらいの値段でもいろんなタイプのものがありますし、ただ高いものを買えばいいってわけじゃないんですよね。

ロジックツリーにも『ボール』の項目に『スピン系』と『ディスタンス系』とありますね。
そもそもの疑問なんですが、ゴルフって皆さん同じボールを使うわけではないんですか?

あ、ごめんごめん。
実はゴルフって他のスポーツと違って自分で選んだボールを使っていいんだよ。

一度奮発して高いボールを買ってみたことがあるんですけど、いまいち安いやつとの違いがわからなかったんですよね…。

感覚では分からないことにこそデータ分析が活きてきます。
クラブと同じように皆さんに合ったボールを選択できるかもしれません。

いいね!
前からボールごとにどのくらい違いがあるのか気になってたんだよ。色んな種類のボールを打って試してみよう!

とはいえ一般的に使われているボールだけでも何十種類もありますね…。
ボールの種類はある程度絞ってからテストする方が良さそうです。

そうですね。
ではツリーにならってスピン系とディスタンス系との比較を分析の主軸に置きましょう。
それと皆さん値段による違いが気になっていたようなので、値段も比較対象に加えた4種類のボールで試してみましょう。

宮田さんの弱点は『ドライバーがスライスして飛距離が出ない』でした。
飛距離やサイドスピン量を中心に分析してみましょう。

了解!
岡田さんも結構ゴルフに詳しくなってきたね!

ヘッドスピードと総距離の関係

これはヘッドスピードとトータル飛距離の関係を表す散布図ですね。

『SRIXON Z-STAR』が一番飛んでいるみたいですね。

いえ、そう結論づけるのはまだ早いです。
ヘッドスピードと飛距離の関係性がわかるように、最小二乗法という手法で近似直線を引いてみましょう。

ヘッドスピードと総距離の関係

近似直線を追加すると違ったものが見えてきますね。
『SRIXON Z-STAR XV』の近似直線が最も上にあります。
ヘッドスピードが同じ場合『SRIXON Z-STAR XV』の方が飛距離が出るのではないでしょうか?計算してみましょう。

ヘッドスピードが1m/s速くなった時の総距離の伸びを計算すると、『SRIXON Z-STAR XV』が僅差ですが優れていることがわかりました。

なるほど…、飛距離なら『SRIXON Z-STAR XV』なのか。
じゃあ次はスピン量を見てみよう。ロースピンのボールなら曲がらずに飛距離も伸びるはず!

総距離とサイドスピン量の関係

ディスタンス系の『SRIXON Z-STAR XV』が飛距離の高さと少ないサイドスピン量を両立してますね。

宮田さんはドライバーの精度が課題でしたので、安定感のあるボールが良いと思います。

決まりですね。
飛距離とサイドスピン量、どちらの視点からも『SRIXON Z-STAR XV』が、最も宮田さんに適していると結論づけられます。

ありがとう!
じゃあ僕は『SRIXON Z-STAR XV』を選ぶことにするよ!

宮澤さんの弱点は『アイアンがスライスして飛距離が出ない」でした。キャリー距離やサイドスピン量を中心に分析してみましょう。

ヘッドスピードとキャリーの関係

キャリーで見ると『HONMA D1』『SRIXON Z-STAR XV』、それに『SRIXON Z-STAR』が良く飛んでいますね。

アイアンの理想はいつも同じ距離を飛ばすことです。
キャリーにばらつきの無い『HONMA D1』『SRIXON Z-STAR XV』は良さそうですね。

では、次はサイドスピン量について確認してみましょう。

キャリーとサイドスピン量の関係

『HONMA D1』のサイドスピン量が低くまとまっているね。

これだけサイドスピン量が少なければ、宮澤さんの課題であるスライスの発生もかなり抑えられるのではないでしょうか。

そうですね。
僕は『HONMA D1』にしようと思います。

宮本さんの弱点は『100y以下の距離感が掴めず、アプローチが寄らない』でした。
アプローチを狙ったところに止めるには何が重要なのでしょうか?

しっかりとボールにバックスピンをかけて転がりすぎないようブレーキをかけることだね。まずはバックスピン量のデータから見てみようか。

ヘッドスピードとバックスピン量の関係

やっぱりスピン系と言うだけあって、
『HONMA TW-X』『SRIXON Z-STAR』はバックスピン量が多いですね!
ディスタンス系の『HONMA D1』と比べて2倍近いスピン量が出ています。

もう1つの改善点は距離感ですか。
宮本さんはレッスンで振り幅と距離を対応させる練習をやったらしいですね。となると、同じヘッドスピードで振ればいつも同じ飛距離が出るようなボールがいいのではないでしょうか?

そうですね。
それでは次にヘッドスピードとキャリーの関係を調べてみましょう。

ヘッドスピードとキャリーの関係

『HONMA TW-X』『SRIXON Z-STAR』、どちらもヘッドスピードに対するキャリーが安定しています。

どちらも安定感があって距離感を調整しやすそうだね。
あとはデータ以外のところで決めてみてもいいんじゃない?

僕は『HONMA TW-X』にすることにします!
やっぱりコスパの良さは大きいですから。

レッスンとボール選び、
どちらもすでに効果を感じているようですね。

レッスンのおかげか、手に伝わってくる感触が徐々に変わってきていて、大きな手応えを感じています。

たしかに、レッスンはすごくタメになりました!
100y以内の距離感なら絶対の自信があります。

ボールの分析はすごく面白かったね。
ボールの特徴がデータにハッキリと表れていてとても興味深かったよ。

次回はいよいよコースです。
最後まで全力を出し切ってくださいね。

ありがとう。
頑張ってくるよ!

アビームコンサルティング株式会社について

アビームコンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、 BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約6,000名以上のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

詳細はこちら

P&T Digital ビジネスユニット AIセクターについて

AIセクターは、機械学習、AI技術を駆使して企業の変革を支援するプロフェッショナル集団です。企業の様々な課題に対し、豊富な知見と企業変革に真に寄与する先端テクノロジーを最大限に活用し、クライアントの収益性拡大と永続的な成長実現に貢献します。レーシング、フットサル、次世代アスリートの発掘等、スポーツ分野におけるAI技術の活用にも積極的に取り組んでいます。

詳細はこちら