ガツンと狙う名手のアプローチから学ぶ

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ショートゲームの達人、リー・トレビノは「30ヤード以上は上げて止めることを考える。だが、30ヤード以内は徹底して転がして攻める」という信念を持っていたという。 チップインが狙えるアプローチの考え方をレジェンドたちから教えてもらおう。

Chapter1 アプローチの心構え

ヘッドで打つ意識が体をスムーズに動かす

ショットに限らず、パッティングやアプローチも「ボールをクラブヘッドでヒットする」イメージが大前提になる、と古今の名手を研究しているプロコーチ・森守洋は語る。 たとえば釘を金槌で打つ場合、手元や身体の動きをことさらイメージすることはないだろう。打面を釘の頭にあてがい、そこを叩くことに集中するはずだ。釘を曲げないよう、当てる角度を気にしつつ、適切な力加減でトントン、と軽やかに打ち込むはずだ。

「アプローチも、その感覚を基点にすべきです。まず、ヘッドで「コツン」と打ってみる。より遠くへ届かせるなら「ガツン」と打つ。そう意識するだけで、振り幅も力加減も適度に変化するのが、人間の打ち方だと思います」

名手がラフからピタリと寄せられるのも、ヘッドの動きを優先するからだという。

「素振りで草の抵抗感をチェックするわけですが、ヘッドの勢いがどれだけ食われるかを感じて、フェースの向きを変えたり、振り幅を増やしてゆったり打つとか、短い振り幅でしっかり打つとかを決めます。この応用の感覚もヘッドで打つから経験が蓄積されて、成功率が上がっていくわけです」

Chapter2 ザックリしない秘訣とは

ヘッドで打とうとすれば手首は自然にコックする

ヘッドで打つイメージを阻害する、悪しきレッスンとして「手首を使わない、固める」メソッドがある、と森プロ。

「距離感を合わせる力加減をするのに、手首の動きを意識的に固めるのはナンセンスです。金槌で釘を打つ、スティックでドラムを叩いて演奏する、バドミントンで狙った所にスマッシュを打つ。緻密な力加減を要する動きでは、手首のしなやかな動きを生かすほうが、絶対にうまくいきます」

では、なぜ「手首を固める」レッスンが重宝されるのか。

「イメージとして、スウィング弧が大きく保たれるぶん、ヘッド軌道がより直線的になることと、フェース向きが変わりにくく、打点が安定するといったメリットがあるからでしょう。ですが、手首やひじをしなやかに動かしても、打点やフェース向きが狂うようなことはありません。逆に、ヘッドがスムーズに加速する動きになることで、安定性は増します」

メジャー15勝を誇るトリプルグランドスラマー、タイガー・ウッズはパッティングでも手首がしなやかに動いている。

「一見、動いていないようですが、手首のスナップ動作が入っています。エネルギーがしっかり伝わり、転がりの良い打球になる要因です」

Chapter3 手首を上手に使うために

右ひじ支点なら打点がブレず安定する

スウィングの支点というと、頭や首、背骨をイメージする人も多いだろう。 「実際の動きは別として、スナップ動作の支点としてイメージするなら利き腕のひじ、(右利きなら)右ひじが有効です」と森プロ。

一般的に、支点はそれ自体を動かさないように考えるもの。

「いわゆる左のカベのように動きを抑えるイメージが支点ブレを防ぐレッスンに多用され、左脇の締めや左ひざの伸ばしなどが取り上げられますが、実際には体の動きにブレーキをかけてしまい、逆に支点ブレにつながることが多いんです」

森プロ自身も、師匠である陳清波の動きを見て学び、右ひじを支点にヘッドを出そうとすると、右肩も右ひざも前に出ない。動きの流れが詰まらないよう、左手でグリップエンドをたぐりながら左サイドをかわすと、最小限の振り幅でしっかりとボールにエネルギーを伝えることができ、スピン量の安定したピッチ&ランが打てるようになったという。

Chapter4 アプローチの振り幅

ポンと打ったら終わり。フォローの意識は必要なし

リー・トレビノが判断基準とした30ヤード以上の「上げて止める」アプローチでは、スリークオーターやハーフショットといった、左右対称の振り幅をイメージしたフルスウィングの 『縮小版』が有効。

「ヘッドを加速して、しっかり振り抜ける状況だからです。ですが、30ヤード以内、ランを使って寄せる場面では、フォローまで考える必要はありません。「ヘッドでボールを打つ」ことに集中すれば十分」と森プロ。

右ひじ支点では、ボールを後ろから叩けるよう、ボール位置は右ひじより目標寄りが鉄則。

「ラフに沈んだボールを上から叩く場面でも同じ。左肩を下げて振り上げると手首が深く曲がり、ヘッドが高く上がる。右ひじ支点なら、そのまま上から叩いてもザックリせず、目標方向に抜ける動きになります」

『レッスンの匠【「ガツン」で入れる名手のアプローチ】』は、チョイス241号(2023年秋号)に詳しく掲載されています。

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