日光カンツリー倶楽部(栃木県)

日光カンツリー倶楽部(栃木県・18H

古き良き時代の雰囲気を継承しつつ、リニューアル

老朽化や時代の変化に対応する改修は避けられない。
しかし、伝統と格式ある雰囲気はそのままにしたい。
歴史あるゴルフ場にとって、大切なテーマである。

レストラン位置を原設計に戻し
ランニングコストは向上させた

「開場60周年を前に耐震強化を兼ねてのリニューアルでした。外観には手をつけず、品格ある雰囲気はそのままに、利用するメンバーの声を大切にしながらの改修です」(支配人・若林梅夫氏)

 今回のリニューアルの大きな目玉は、レストランの移動。フロントから近いラウンジ横(現コンペルーム)にあったものをロッジへの途中に移した。といっても、そこは開場時にあった元々の場所。開場後、火災でラウンジ横に移動していたものを戻したのだ。コースが間近になり、より一層落ち着いた寛いだ雰囲気となった。併せて、厨房の位置も移動。厨房スタッフの意見を聞きつつ、機能性を考えてスペースも拡げた。

 ショップもロッカー近くにあったものをフロント横に移し、スタッフ動線を改善し効率化に繋げている。また、ロッカーなども一新。ロッカー室はコンクリートの打ち放しで、ボイラーや電気配線などがむき出しだったものを改修し、印象も向上したという。また、トイレも清潔感向上を念頭に改修した。

 表には見えないが、光熱費などのランニングコストを改善するため、一括の暖房から、各部屋にエアコンを配した。

 基盤は鉄筋コンクリートで、上物を木造で構成されているクラブハウスのため、経年によるきしみの補正や耐震強化は必須だが、同時に品格を保ちつつ、フロント周りなど、すっきりとした現代ふうの明るさやデザインにも配慮がなされている。

コース側の外観。ハウスとコースの間に小川が流れている

品格溢れる落ち着いた雰囲気のレストラン。12卓

レストラン手前にあるソファスペースも趣きがある

階段脇にあるバーラウンジ。19番ホールのための部屋

レストランの外にあるテラス

ゆったりとしたラウンジ。外にはルーフテラスがある

写真は元レストランだった大コンペルーム。奥には厨房だったスペースに可動式パーテーションで2つに区切られた小コンペルームがある。3室、54名収容

フロント横に移動したショップ

男女浴室(左・男性、右・女性)

今回、ご紹介したクラブハウスは…

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所在地
栃木県日光市所野
開場
昭和30年4月
ハウス設計者
㈱ウイ・アンド・エフヴィジョン
ハウス施工
東武建設㈱
延べ床面積
3147.16㎡
構造
鉄筋コンクリート、一部木造

「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。

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