玄関を入ると、正面のレストランまで、広々とした通路になっている。ロビーとか、ホールと言うには、幅はないが、奥行きがあり、通路としては非常に広い。天井も低めだが、豪華なハウスによくある大きな吹抜けのロビースペースに比べて、明らかに落ち着きがある。しかし、玄関から通路に入った、このクラブハウス内部の第一印象は、ゆとりのある高級感である。
もうひとつ。このハウスのほとんどの仕切りが格子になっているのも特徴的だ。レストラン脇のラウンジとの仕切りも木製の格子戸であり、いずれも閉塞感をなくしている。動線としては、レストラン奥にあるコンペルームや、さらに離れたVIP室から、レストランを通らずにフロントへ行ける。厨房を囲むように廊下ができているためだが、パーティ後のざわついた雰囲気をレストランに持ち込まない工夫だろう。
「内部の落ち着いた雰囲気はもちろんですが、うちはあえてコースからハウスが見えないようにしました。自然のなかにある人工物ですから、目立たないようにしたんです。外も木目調にして、自然と調和できるのが前提でしたから」(業務課係長・高田頼康氏)