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これは、まさに“飛び道具”飛ばしに特化した驚愕スペック PRGR egg7(エッグセブン)

より遠くへ飛ばすために、たどり着いたロフト7度。

2012年、またもやPRGRが新発想で開発したモデルをリリースする。それが『egg seven』という名のドライバーだ。
PRGRのeggブランドは、これまでにも非常識ともいえる着眼点で革新的なクラブを生み出してきたが、飛距離に特化したエッグブランドの新ドライバーは、なんとロフトが7度しかない。セブンというモデル名は、このロフトの数値が由来になっているのだ。

通常、ドライバーにはゴルファーに合わせて数種類のロフトバリエーションが用意されるが、『egg seven』のロフトは7度のみ。
ドラコン選手しか使用しないような極端なストロングロフトのモデルだけを市場に投入するのも、まったくもって常識外に思える。しかし、この『egg seven』はあくまでも一般のゴルファー向けであり、このロフト設定にこそ、飛ばしの大きな秘密が隠されている。

「ドライバーの飛距離を決定づけているのは、ボール初速、打ち出し角、スピン量の三要素です。
『egg seven』は、このなかのボール初速を上げることに注目して開発されました。
飛ばしの三要素のなかでも、ボール初速は飛距離の大きな部分を担っています。
ボール初速を上げることができれば、確実に飛距離はアップします。
そこで導き出されたのが、ロフトを極限まで減らすという発想でした」

そう語るのは、東京の銀座にあるPRGRのフィッティング施設「サイエンスフィット」でインストラクターを務める宮川まもる氏。
ドライバーのフェースに反発規制(SLEルール)がある現状、反発力アップでボール初速を上げることはまず不可能だと言っていい。そこで考え出されたのが、ドライバーのストロングロフト化。
インパクト時のロフトを減らすと、効率よくパワーがボールに伝わり、ボール初速を上げることができるという。

「これは、以前からサイエンスフィットでのデータ解析で証明されていたことです。
実際にプロや上級者の多くはインパクト時にロフトを立てるように使いながら、なおかつレベルからアッパー軌道でスイングすることで飛ばしています。しかし、単純にロフトを減らしただけでは十分な弾道の高さが得られず、効率よく飛ばすことができません。
そのうえロフトが少なすぎると球が捕まえづらくなり、プッシュアウトやスライスを量産することにもなります。
これらのデメリットを解消すべく、『egg seven』は開発されました」(前出・宮川氏)

ストロングロフトで高初速、低スピン。深重心とシャフトで弾道を稼ぐ。

『egg seven』は、ストロングロフトでボール初速を上げることを第一条件として開発が進められた。
そのうえで飛ばせる弾道を維持するため、ヘッドの構造とシャフトにはいろんな工夫が施されている。

「少ないロフトで、どうやってボールを上げるかを考え、『egg seven』ではヘッドの重心位置を大幅に深重心化しました。
重心が深いほどヘッドはインパクト時に上向きになりやすく、アッパー軌道でインパクトを迎えるからです。
純正シャフトは、少し長めの45.5インチを採用しました。
短いよりも長いほうがヘッドスピードアップにつながりますし、横振りになりやすくインパクト時のロフトを増やせます。
さらに手元部分が柔らかい剛性設計にすることで、インパクト前からシャフトがしなり戻り、自然とアッパー軌道になるようにもなっています」(前出・宮川氏)
球を上げる要素を複合的に採用したことで、『egg seven』は7度というロフトのわりに球が上がりやすく、なおかつボール初速を上げることにも成功。さらに、ストロングロフト化によってスピン量が軽減し、これも飛距離アップに大きく貢献している。

インサイドアッパーに振る、約31%のゴルファーが飛ばせる。

実は、ドライバーを低ロフト化するという発想はPRGR社内では以前からあり、2007年から着々と開発を進めていたという。ロフトが5度のモデルなど、これまでにいろんな試作を繰り返し、そうしてやっと完成に至ったのがこの『egg seven』。
試作テスト中には20ヤードの飛距離差がでたテスターもいるという。
「2011年のシーズン中盤には、試作モデルを谷原秀人プロに試打してもらいました。
谷原プロは『egg seven』の飛びにかなり満足したようで、早く製品化してほしいとせっつかれたぐらいです」と言うのは、PRGRのツアーレップを務める中村氏。
高初速かつ低スピンで飛ばせるうえに、風に強くてラインを出しやすい強弾道が打てる性能は、プロにとっても大きな魅力だ。

ただし、注意したいのは『egg seven』は誰もが飛ばせるドライバーではないということ。
ロフト7度にしては球が上がるが、ある程度のパワーがないと球がドロップして逆に飛距離を落とすことにもなりかねない。
ヘッドの重心距離は38mmと短く、球をつかまえやすく設計しているものの、それでもストロングロフト化によりスライサーには厳しいモデルでもある。

「対象ゴルファーは、ヘッドスピード43m/s以上で普段からスピン量が多く、球が上がりすぎて飛距離をロスしているような人です。サイエンスフィットではスイング軌道でゴルファーを4タイプに分けていますが、『egg seven』はインサイドアッパーに振るゴルファー(表で右上に該当するゴルファー)に最適なモデル。これは全ゴルファーの31%に該当しますが、そういったスイングタイプの方が使うと、今より飛ばせる可能性はかなり高いですよ」(前出・宮川氏)

『egg seven』は、持ち玉が低弾道のゴルファーや、スライサーは決して手を出してはいけない取り扱い注意のモデルだ。
その反面、球が吹け上がって飛距離をロスしているゴルファー、左へのミスを嫌うゴルファーには画期的な“飛び道具”になる。
自分に合うかどうか、試打して確かめる価値はある。

PRGR egg7(エッグセブン) 商品スペック
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