矢野、谷原の活躍を陰で支える画期的スイング診断システム 01
「クラブフィッティングとレッスンに活用できるのが『サイエンスフィット』の最大の強み」―――内藤雄士

昨シーズン、10週連続トップ10入りを果たすなど抜群の安定感で年間2勝を上げ、賞金ランキング2位に入った矢野東プロ。同じく、2勝を上げて終盤まで昨シーズンの賞金王争いを盛り上げ、同4位に入った谷原秀人プロ。2人の共通点は、プロギア契約プロであること、そして内藤雄士氏をコーチにつけていることだ。両選手が快進撃を見せた理由のひとつとして、内藤コーチはプロギアの「サイエンスフィットを効果的に活用できたこと」を挙げる。同社が開発したスイング解析・ティーチングメソッド「サイエンスフィット」とはどんな性能なのか、また矢野プロ、谷原プロのスイングを見る内藤コーチはこのメソッドをどのように活用しているのだろうか。

矢野、谷原の快進撃を陰で支える最新スイング診断システム

昨シーズン、矢野プロは出場25試合中15位以内が14試合と抜群の安定感を見せた。10試合連続トップ10入りという快挙も達成したのを記憶しているファンも多いだろう。一方の谷原プロは、23試合中9試合で15位以内を獲得。賞金王レースを最後まで盛り上げた選手の一人だ。
 両選手のコーチとして活躍する内藤雄士氏は、彼らの活躍の理由のひとつとして「年間を通して、調子の波、スイングの傾向を正確に把握できていたこと」を挙げる。その、指針となったものがプロギアの「サイエンスフィット」だ。
 これは、プロギアがこれまで収集した莫大なデータと最新科学機器を基にスイング解析、フィッティングができるまったく新しいタイプのスイング解析・ティーチングメソッド。矢野プロ、谷原プロが定期的に「サイエンスフィット」を利用し、そのデータを収集していたことで、内藤コーチは彼らのスイングの傾向を正確に把握でき、それが昨シーズンの快進撃につながったというわけだ。

「プロの目」と「科学の目」でスイングを徹底的に解析

「サイエンスフィット」を活用することのメリットについて内藤コーチはこう語る。
「従来の我々のレッスンは、スイングを前方、後方から撮影し、その映像を基にスイングチェックをする方法でした。言ってみれば『アナログ』の世界ですよね。しかし、『サイエンスフィット』はスイング映像だけでなく、そのスイングをデータ化して把握することが可能。つまり、映像と数字の両面からスイングを分析できるのです」
 映像だけを見ていたこれまでのレッスン法では、コーチの経験量が非常に重要なウエートを占めることになる。「この軌道でスイングするタイプは、こういう球筋になるはずだ」「こういう動きをするとこんな傾向になりやすい」などの判断は、あくまでもコーチの主観でしかなく、見る側の受け取り方によって認識が異なってしまうがあると内藤コーチは指摘する。
「これまでの経験を活かした自分の目と『科学の目』、両方を使うことで、より正確にスイングを分析できるので、彼らに的確なアドバイスが出来たのです」

最先端の測定器を駆使してスイングを丸裸にするサイエンスフィット

 「サイエンスフィット」には、「ヘッド挙動測定器」、「初期弾道測定器」、「磁気センサースイング測定器」の3つが設置してある。
 「ヘッド挙動測定器」は2000分の1秒のヘッド位置と向きを3次元測定し、CADデータと剛性することでインパクト直前のヘッドの動きをアニメーション表示。スイング軌道、フェース向き、打点を測定するというもの。「初期弾道測定器」は、ヘッドスピードに加え、インパクト直後のボールの「初速」「打ち出し角」「スピン量」に基づき、高精度3次元測定を行うことで弾道シミュレーションできるシステムだ。また、「磁気センサースイング測定器」は特殊センサーをクラブのグリップ端に取り付け、スイング中のクラブの3次元位置と向きを240分の1秒ごとに測定するもの。これにより、「リストターンタイプ」や「ボディターンタイプ」などの傾向が把握できる。
「定期的にこれらを使うことで、その時の成績とスイングデータを比較することができますよね。すると、調子が良いときのスイング、調子を崩したときの陥りやすい傾向が分かります」
 昨シーズンの矢野プロ、谷原プロの快進撃を支えた内藤コーチは、いかに「サイエンスフィット」を活用したのだろうか。昨年のデータを基に具体的に語ってもらった。