大変貌を遂げたとウワサの新作RMXを最速チェック!

これまで美しい形状と打感・打音の良さで、
ゴルファーから評価されてきたヤマハ『RMX』。
しかし、その二年ぶりの新作は、それらを損なってでもという決意のもと、
とにかく飛距離性能を追求したという。
開発当初から契約プロが積極的に関わり、大胆に変貌した新しい『RMX』を
ゴルフテックの名物コーチ、吉田幸太郎が最速チェック。
3人のアマチュアゴルファーのフィッティングを行い、その性能を検証した。

吉田 幸太郎  KOTARO YOSHIDA

国内ではGDOが運営する、アメリカ大手のゴルフレッスンスクール「GOLFTEC」の名物コーチ。これまで述べ1万回以上のレッスンを行い、多くのファンをもつ。2012年にPGAティーチングライセンスを取得。1985年生まれ、徳島県出身。

梶山 駿吾  SHUNGO  KAJIYAMA

ヤマハRMXブランドディレクター。過去10年に渡り、プロ担当として男女ツアーの最前線に携わってきた経験を持ち、感性に優れたヤマハ契約プロたちのフィッティングを担ってきた。自身も大学時代オーストラリアへゴルフ留学していた経歴を持つ。1982年生まれ、神奈川県出身。

【POINT 01】ヤマハらしさを捨ててでも、"飛んで曲がらない”性能を追求した。

新しい『RMX』は、どのようにして生まれ、
どこが変わったのだろうか。
ヤマハの『RMX』ブランドディレクター、
梶山駿吾氏に、吉田幸太郎コーチが鋭く迫った。

吉田
近年のドライバーは、コンセプトがはっきりしたモデルが人気ですね。「ボールが曲がらない」とか「スピン量が少ない」といった特徴がはっきりしているとわかりやすいようです。ヤマハさんなら『inpres UD+2』は「球がつかまって、スライスしない」ということで、選ぶゴルファーが多いですね。
梶山
国内ブランドのアスリート系ドライバーはどうですか?
吉田
うーん。言われてみると、あまり存在感がないかもしれませんね。海外ブランドのほうが、いち早くヘッドが大型化してきて、確率から言っても簡単にボール初速をあげられるドライバーが多いと感じます。
梶山
まさにその点にヤマハの問題意識がありました。数年前から、投影面積が大型化したドライバーが登場し、PGAツアーのトップ選手たちがそんなドライバーで、ガンガン飛ばすようになりました。もちろん我々もそのトレンドを掴んではいましたが…。
ヤマハは2007年モデルの『インプレスX 425V』というドライバーが非常に評価されました。打感も打音も良くて、小ぶりでシャープな顔でカッコいい。当時は、飛ぶとも言われ、そこから市場シェアも伸びました。それが成功体験となって、この10年のヤマハらしさを決定づけてしまい、なかなか変われなかった。
吉田
ヤマハのクラブには今も、まさにそういう印象がありますね。
梶山
しかし、それが徐々に世界のトレンドから乖離していったのです。藤田寛之プロをはじめとする契約プロたちからは、「いつまで小さいままなの?」とまで言われました。
吉田
なかなか強烈なダメ出しですね。でも、そうやってメーカーさんと真剣に向き合っている契約プロがいるというのは、心強いですね。
梶山
契約プロたちもドライバーのトレンドに乗れていないということに、私たちが考える以上のストレスを感じていたんです。それを解決するために、開発の初期段階からプロたちに関わってもらって、打感や形状といったフィーリングの部分ではなく、あくまでも数字でわかる性能を出すという方向性をはっきりと打ち出すことにしました。

【POINT 02】「BOOSTRING(ブーストリング)」が、ボール初速を大幅にアップ

梶山
今回の『RMX』は、ボール初速を向上することにこだわりました。結果生まれたのが、「BOOSTRING(ブーストリング)」です。フェース近傍に、ソールからクラウン部に続く一連のリブを搭載しました。
吉田
なるほど。それがホーゼルとつながってリング状となるわけですね。
梶山
ご明答です。そのリングがボディの変形を抑制し、たわみを均一化、エネルギーロスを軽減するのです。当然、初速のアップにつながります。
吉田
初速アップと言えば、フェースの反発をギリギリにするメーカーも多いですよね。
梶山
ご存知のようにルール上、反発係数の規制があります。現在はどのメーカーもフェース反発はルール上限に限りなく近くなっていますから、大きな差はないんです。しかし、実際に打つとモデルによって、ボール初速の差はあります。
吉田
それがヘッドのたわみのせいなんですね。
梶山
従来は、インパクト時にヘッドをたわませることでボールを飛ばすという理論が主流でした。しかし、大型ヘッドの場合はそのたわみが均一にならず、むしろエネルギーロスになっているということがわかったんです。たわみすぎてしまうことで、エネルギーが伝わり切る前にボールが飛んでしまうという現象が起き、その結果、エネルギー効率が悪かった。リングがつくと、エネルギーが後ろに逃げずに、十全にボールに伝わる事ができます。
吉田
慣性モーメントが大きくなったことの相乗効果も期待できますね。ヘッドがブレないことで、エネルギー効率はさらに向上するでしょう。
梶山
「BOOSTRING(ブーストリング)」が生まれるまで、多くの試作品を作りました。色々な形状やリングの大きさも大小様々なものを試しました。結果、もっとも効率の良いリングを搭載しています。
吉田
アマチュアの方にフィッティングする際、やはり注目するのがボール初速です。同じヘッドスピードでも、クラブによって初速の違いは出ますから、そういった機能は嬉しいですね。

【POINT 03】ドライバー史上、最大級の慣性モーメントを実現

吉田
今回の『RMX120』と『RMX220』、見た瞬間に今までと大きな違いを感じて、これがヤマハのドライバーかと正直驚きました。
梶山
今回は、飛んで曲がらないという性能を出すことを追求しています。『RMX 120』は、ヘッド左右の慣性モーメントを5000g・cm2を超えるものを作ることを目標にしました。前作が4300 g・cm2でしたから、大幅アップをめざしたんです。
吉田
現在、市場にあるドライバーでも5000g・cm2を超えるものは、数機種しかありませんね。
梶山
開発陣からは「これまでの形状では、5000g・cm2を実現するのは不可能だ」と声が上がりました。 それならば、それを変えてでも性能を追求しようと。形状の変化は、そんな経緯から生まれたんです。

それならば、それを変えてでも性能を追求しようと。形状の変化は、そんな経緯から生まれたんです。

吉田
前作と比べても『RMX 120』は、構えたときにヘッドが大きくなりました。持っただけで重心深度が深くなっているのを感じます。でも形状には、バランスの良さや美しさを感じますよ。
梶山
ありがとうございます。『RMX 220』の印象はどうですか?
吉田
こちらはびっくりしましたね(笑)。ヘッド後方が大きく張り出し、今までに見たこともないほど大きな特徴を持ったクラブです。常識外の大きさなので、構えると少し笑ってしまいました。
梶山
『RMX 220』は、これまでで一番曲がらないドライバーを作ろうというコンセプトで、ルール上限の慣性モーメントを目指しました。左右の慣性モーメントは、5760g・cm2で、これまでに発売された各メーカーの歴代ドライバーの中でみても非常に大きな数値を実現しています。しかし、四角形や三角形の異形ヘッドではなく、あくまでも丸みを帯びた伝統的な形状を踏襲したものにしたのは、ヤマハのこだわりです。
吉田
この投影面積の大きな形状があるからこそ、それだけの数値を実現しているんですね。

TRIAL HITTING アマチュアゴルファーたちも大胆な進化を体感した!

すでに契約プロたちがスイッチを開始しているという、
新生『RMX』。
ゴルフが好きでやまないGDO社員が
アマチュアゴルファー代表としてフィッティング。
弾道測定器 GC2を使って検証してみた。

Impression.1

アマチュア試打フィッティング 加藤さん

一人目のテスター、加藤さんが最初に好感触だったのは、より慣性モーメントの大きな『RMX 220』。
「当たりそこねたときに、前に飛んでいってくれてミスになりにくいですね」(加藤さん)

しかし、吉田コーチは加藤さんのスイング傾向を見て、『RMX 120』を勧めた。「ナチュラルにフェースターンを行う加藤さんのスイングでは、『220』よりも『120』のほうが振り切れるでしょう」(吉田コーチ)。ミスしたときの強さよりもより振り抜きやすく、パフォーマンスを向上させようという選択だ。

「もう少し高さとつかまりが欲しいですね」とヤマハ梶山氏が、ロフト角を1度増やしたハイポジションに調整。これによって、インパクトがより分厚くなり、初速もさらに出るようになった。打ち出し角が適正になり、安定したフェードボールで結果がまとまるようになった。「気持ちよく振り抜ける『RMX120』のほうが、結果的にいい球で安定するようになりました」(加藤さん)

測定結果

Impression.2

アマチュア試打フィッティング 北川さん

ジムでのトレーニングを欠かさないというアスリート系ゴルファーの北川さん。
しかし、そのスイングは決して力まかせでなく、タイミングのいいしなやかな振りが特徴だ。

「シャフトにあまり負荷をかけない綺麗なスイングですね」と吉田コーチが指摘する。このタイプのゴルファーなら、しなりが多いシャフトでも暴れずにインパクトが迎えられるという。

ヤマハの梶山氏は「2機種どちらのヘッドも使えるフィッティング泣かせのスイングですが、『RMX 220』ならヘッドの挙動がより安定するでしょう」と推奨してくれた。シャフトはしなりをより活かしやすい、フジクラ『スピーダーエヴォリューション6』を選択。

「『RMX 220』はシャローで、他の460ccヘッドに比べてもヘッドが大きく感じて安心感があり、ターゲットにフェースを向けやすいです。ティを低めにすると、より強い当たりになりました。250ヤードを超えるショットが連発するので、嬉しくなってきましたね」(北川さん)

測定結果

Impression.3

アマチュア試打フィッティング 河合さん

練習場には通っているものの、ラウンド数は年間数ラウンドと決して多くない河合さん。
球が高く上がって大きく右に曲がる典型的なスライサーの球筋。
バックスピン量も4000rpmを超えていて、かなり飛距離ロスが起きている状況だ。

「ここは『RMX 220』を選んで、つかまりの良さと直進性を活かしていただきたいたいですね」とヤマハ梶山氏。吉田コーチが、「テークバックの初期段階でフェースが開いてしまっているので、少し閉じ気味に上げてみましょう」とアドバイスをしたところ、スライスの度合いが大幅に軽減。スイングとクラブの両面から、スライスを抑制することに成功した。

その結果、スピン量が減り、飛距離はマイクラブから30ヤード近い大幅アップ。エネルギーロスが多かった分、劇的な改善になった。「大きいということですが、これまでも投影面積が大きな海外ブランドを使っていたので、見た目に違和感はないですね。これだけ飛距離が伸びてくれると嬉しいです」(河合さん)。

「スライサーの方は、少し硬めのシャフトを使うとボールがつかまるケースが多いので参考にしていただきたいです。ロフト角選びはバックスピン量を決定づけるので、慎重に選びたいですね」(吉田コーチ)。河合さんの場合も、ロフト角は9.5度か、10.5度のローポジションが良いという結果になった。

測定結果

【吉田コーチの総括】頑張らなくても、ドーンと飛ばせるようになった!

「これまでの『RMX』は、どちらかというとゴルファー自身が頑張って飛ばさないといけないクラブでした。しっかり振って、技術で飛ばさなくてはいけなかった。しかし、今回の『RMX 120』と『RMX 220』は、あまり意識しなくても楽に飛ばせます(笑)。クラブの機能で飛ばしてくれるのがいいですね」

「ディープな形状だった前作までの『RMX』から変わり、後方がストレッチバックしていて、特に『220』は劇的にシャローな形状になりました。その分、直進性が高くなったと感じます。現代は、球筋を曲げてコントロールするというより、ストレートにドーンと飛ばしていく時代。そんな現代のトレンドを感じますね」

「フェースローテーションがあり、シャープに振りたい人は『RMX 120』。フェースの開閉が少ない人は『RMX 220』が合うでしょう。打感・打音も爽快で、「ブーストリング」の効果もあってか、分厚いインパクトがとても気持ち良いドライバーです。このあたりのフィーリングが失われていないのは、嬉しいところです」

商品スペック

  • RMX120
  • RMX220
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