“スピード”を追求して開発されたZXシリーズのドライバー。ラインアップされた2モデルには、新構造の「リバウンドフレーム」を採用。
この新技術は、ヘッドの構造を剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配した4層にすることで、最大級のボールスピードを生み出す革新的なテクノロジーだ。
2018年に発売された全モデルの「Z585」と
「Z785」は、ゼクシオ譲りのカップフェースを
採用し、飛距離性能や寛容性を備えたモデルと
なっていた。
新作の「ZX5」と「ZX7」では、ヘッドの高慣性モーメント化とリバウンドフレームにより、従来からのやさしさを
向上させつつ、飛距離性能を高めることに成功したモデルとなっている。
-
「ZX5」は、ソール後方中央に1カ所のチューニングウェイトを配したモデル。
ヘッドの深重心化によって左右の慣性モーメントを高め、寛容性と直進性を向上させている。 -
「ZX7」は、トゥ側とヒール側の2カ所にチューニングウェイトを備えたモデル。
オーソドックスな形状で操作性の良いヘッドながら、前作「Z785」より慣性モーメントを高めて、寛容性もアップグレードしている。
「ZX5」と「ZX7」は、どちらのモデルもボール初速を出しやすく、そこにいちばん驚きました。他社のドライバーをしのぐ初速性能だと言って過言ではないでしょう。
自分が使うのであれば、「ZX5」のほうです。
「ZX5」は、「ZX7」よりも打ち出し角が少し高めになり、直線的に飛ばしやすいオートマチック感があります。曲がりづらさと飛ばしやすさを備えながらも、自分の持ち球を安定して打てる性能が気に入りました。
アスリート向けのドライバーとはいえ、2モデルともに打ち出し角が高く、打点がブレても曲がりづらい寛容性が備わっています。現代的なドライバーらしく、意外なぐらいにやさしく飛ばせますね。
そのなかでも「ZX5」は、「ZX7」よりも弾道が高く、球を少しつかまえやすい性能。「ZX7」は、球筋をコントロールしやすく、どちらかいうと左に行きづらい性能に感じました。僕が使うとしたら、しっかり叩いていける「ZX7」を選びますね。
- 関
- 新しい「ZXシリーズ」のドライバーは、前作から大きく変わりましたよね。本当にいい方向に進化していると感じました。
- 鹿又
- 前作では“ゼロスリクソン”と銘打ち、従来とはまったく異なる新たなSRIXONを見せてくれました。今回の「ZX5」と「ZX7」は、それを進化させたモデルに仕上がっています。
- 関
- どちらのモデルも構えやすいヘッド形状になりましたし、打感がとてもいい。
- 鹿又
- 僕がいちばん驚いたのは、ボール初速が速いこと。弾道計測器の数値を見ながら試打しましたが、他社のドライバーでは出ないような数字が「ZX5」と「ZX7」ともに、簡単に出ていました。これが新構造のリバウンドフレームによる効果なんでしょうね。
- 関
- ロースピンで強く前へと飛ぶ弾道や飛ばしやすさにおいては、完全に外ブラのドライバーに追い付いたと思います。そのうえ、国内メーカーのクラブらしく、ヘッドの見た目やフィーリングがいいのだから文句ナシですよ。
- 鹿又
- もう外ブラのドライバーを追い越したかも知れませんよ。僕はそのぐらいの進化を「ZX5」と「ZX7」に感じました。関さんは2モデルを打ち比べてみて、「ZX7」のほうが良かったんですよね?
- 関
- 「ZX5」は、つかまった球でまっすぐに飛ばしやすいモデル。「ZX7」は基本的に球がつかまり過ぎないけれど、球をつかまえようと振ったときに、球をつかまえやすいモデルという印象です。
- 鹿又
- 「ZX7」のほうがヘッドをコントロールしやすいから、そう感じるんですよね。僕の場合は「ZX7」だと少し球をつかまえづらく感じたので、オートマチック感のある「ZX5」のほうが、自分の持ち球であるフェードを打ちやすかったです。
- 関
- ヘッドをターンさせながら球を打ちたいゴルファーの場合は、「ZX7」のほうが球をつかまえやすいと感じる場合があるかも知れません。
- 鹿又
- その可能性は十分にあります。ゴルファーのスキルや持ち球に関係なく、2モデルを打ってみて、自分が意図する弾道で飛ばしやすいほうを選ぶべきでしょうね。どちらのモデルも高い飛距離性能は変わらないですから。
-
関 浩太郎
せき・こうたろう●1974年、茨城県生まれ。
「SEKI GOLF CLUB 目黒」を主催するプロコーチ。仕事で年間に試打するクラブは400本以上。クラブフィッティングとクラフトにも従事している。 -
鹿又 芳典
かのまた・よしのり●1968年、東京都生まれ。
ゴルフスタジオ「Magic」のクラブフィッター兼クラフトマン。試打レビュワーとして、多くのメディアでクラブ選びのご意見番としても活躍中。
肥野 竜也さん
ゴルフ歴:15年 平均スコア:70台
持ち球:フェード H/S:44m/s
もともと僕はドライバーの弾道が低いのですが、「ZX5」と「ZX7」は打ち出しが高く、そのうえロースピンでボールを前へと飛ばせるのが気に入りました。
ヘッド形状はオーソドックスな「ZX7」が好みで、打ってみると弾道も「ZX7」のほうが良かったです。ナチュラルにスイングしたときに、気持ちよく球をつかまえられる感覚がありました。
南宮 光行さん
ゴルフ歴:20年 平均スコア:90台
持ち球:フェード H/S:42m/s
「ZX5」のロフト角10.5度、純正シャフトのSRが自分には最適でした。驚くほどよく飛んでいましたね。スイートエリアが広く感じられて、ミスショットをしても飛距離があまり落ちず、球のつかまり感も適度です。毎ショットが安定していました。
村山 智輝さん
ゴルフ歴:20年 平均スコア:70台
持ち球:フェード H/S:48m/s
中〜高弾道の飛ばせるドローを打ちやすかったのが「ZX7」でした。
「ZX7」であれば、方向性を重視したフェードも打ちやすく、弾道のコントロールをしやすかったです。「ZX5」は、「ZX7」よりも若干ヘッドが大きく、球もつかまり良く飛んでいましたがやはり私はコントール性の「ZX7」で。
とはいえ、どちらもモデルも良く飛びます!